【注目銘柄】泉州電業は連日の分割権利落ち後高値、連続の最高業績・増配を手掛かりに割安修正

 泉州電業<9824>(東証プライム)は、前日14日に70円高の3197円と3営業日続伸して引け、取引時間中には3205円まで上値を伸ばし連日の株式分割権利落ち後高値更新となった。今2023年3月期業績が、連続して過去最高更新と予想されて市場コンセンサスを上回り、配当も株式分割換算で大幅連続増配を予定していることを手掛かりに割安修正買いが増勢となった。好業績と同時に発表された自己株式取得や中期経営計画の上ぶれ見直しも、フォローの材料視されている。

■銅価格は高水準をキープし半導体設備投資向けなど続伸

 同社の業績は、前2022年10月期業績が期中に3回も上方修正され過去最高を連続更新して着地したのを受け、今2023年10月期業績は、売り上げ1182億円(前期比4.0%増)、営業利益78億円(同4.5%増)、経常利益81億円(同2.6%増)、純利益55億円(同3.5%増)と続伸が見込まれ、利益は、市場コンセンサスを3億円~5億円上回る。前期業績は、銅価格の期中平均価格が、前々期の1トン=101.2万円から119.5万円へ18.1%上昇して建設・電販向けの売り上げが増加し、半導体製造設備向けの需要が拡大し、自動車・工作機械向けの需要が回復したことなどで過去最高更新となったが、今期も、足元の銅価格は118万円前後と高水準をキープし、即納体制の充実や営業拠点の拡充による提案型営業を強化して受注拡大に取り組み経費削減を進めることなどが寄与する。

 配当は、前期年間配当を期初予想から2回引き上げ140円(前々期実績90円)に大幅増配したが、今期は80円と予定し、2022年10月31日を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)を勘案すると実質20円の連続増配となる。また自己株式取得は、取得上限を20万株(発行済み株式総数の1.12%)、取得総額を6億円として12月9日から来年4月30日までを取得期間として推進中である。さらに中期経営計画では、現行の中期計画の目標の2024年10月期業績が、前期に2年前倒しで達成したことから、2025年10月期を最終年度に新たに作成し、目標業績を売り上げ1250億円、経常利益85億円として設定した。

■PERはなお10倍と割安でまず権利落ち勘案の上場来高値にキャッチアップ

 株価は、前々期業績の3回目の上方修正でつけた昨年1月の上場来高値6700円から4685円まで調整し、売られ過ぎ修正や株式分割の歓迎などで5700円台までリバウンドし、5450円で株式分割の権利を落とした。権利落ち後は、理論価格を下回る落ち後安値2564円まで売られる場面もあったが、前期業績の3回目の上方修正・増配、今期業績の続伸予想などを手掛かりに分割権利落ち後高値追いとなった。PERは10.2倍となお割安であり、まず上場来高値の分割権利落ち勘案高値3350円にキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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