マルマエは23年8月期1Q大幅増収増益、通期減益予想据え置きだが上振れの可能性

(決算速報)
 マルマエ<6264>(東証プライム)は12月28日の取引時間終了後に22年8月期第1四半期業績(非連結)を発表した。大幅増収増益だった。市場が停滞傾向となって受注高が減少したが、前期末の豊富な受注残の消化で稼働率が上昇し、受注損失引当金および棚卸資産評価減の減少なども寄与した。通期は市場停滞や先行投資の影響などで減益予想としている。そして、第1四半期は想定よりも好調だったが、第2四半期以降の慎重な見通しを据え置いている。ただし通期会社予想は上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新したが売られ過ぎ感を強めている。第1四半期業績を評価して出直りを期待したい。

■23年8月期1Q大幅増収増益、通期減益予想だが上振れの可能性

 23年8月期第1四半期の業績(非連結)は売上高前年同期比28.3%増の24億87百万円、営業利益が12.4%増の6億68百万円、経常利益が11.8%増の6億63百万円、四半期純利益が10.7%増の4億67百万円だった。

 市場が停滞傾向となって受注高が減少したが、半導体分野の前期末の豊富な受注残の消化で大幅増収となり、受注損失引当金および棚卸資産評価減の減少なども寄与した。

 全社の受注高は27.3%減の18億15百万円で、分野別の内訳は半導体分野が30.2%減の13億07百万円、FPD分野が77.9%減の1億36百万円、その他分野が3億71百万円(前年同期は3百万円)だった。

 分野別売上高は、半導体分野が受注残の消化で29.7%増の18億73百万円、FPD分野が市場停滞の影響で39.6%減の2億23百万円、その他分野が太陽電池製造装置部品の出荷検収本格化で441.6%増の3億41百万円だった。

 コスト面では、売上増加に伴って外注加工費が18百万円、労務費が79百万円増加し、設備投資に伴って減価償却費が66百万円増加したが、増収効果に加えて、受注損失引当金および棚卸資産評価減の減少(39百万円の損益改善要因)なども寄与して大幅増益だった。売上総利益率は36.3%で4.4ポイント低下、販管費比率は9.4%で0.6ポイント低下した。

 通期業績予想(非連結)は据え置いて、売上高が22年8月期比1.3%増の87億円、営業利益が28.9%減の16億80百万円、経常利益が29.9%減の16億60百万円、当期純利益が33.9%減の12億円としている。配当予想は22年8月期比12円減配の36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。予想配当性向は37.9%となる。

 売上面は市場が停滞傾向でもシェア拡大などによって高水準に推移するが、設備投資増加に伴う減価償却費の増加や、人員増先行による利益率低下などの影響で減益予想としている。なお新規設備投資については市場動向に合わせて実行する方針としている。分野別売上高の計画は半導体分野が7.6%増の68億66百万円、FPD分野が50.3%減の7億66百万円、その他分野が2.1倍の9億21百万円としている。

 半導体分野については、半導体市場の需要鈍化で装置市場も停滞傾向となり、第2四半期~第3四半期に市場減速の影響を見込んでいる。重点施策として消耗品と新規客向けの受注拡大に注力する。FPD分野は全般的に市場停滞傾向の見込みだが、新品種獲得などでシェア拡大を狙う。その他分野は太陽電池向け装置の需要が活発のため、FPD分野の余力も活用して営業活動強化や内製比率改善を推進する方針だ。

 23年8月期は市場停滞や先行投資の影響などで減益予想としている。そして、第1四半期は想定よりも好調だったが、第2四半期以降の慎重な見通しを据え置いている。

 ただし第1四半期の進捗率は売上高が28.6%、営業利益が39.8%、経常利益が39.9%、当期純利益が38.9%と高水準だった。この点を勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新したが売られ過ぎ感を強めている。第1四半期業績を評価して出直りを期待したい。12月28日の終値は1418円、今期予想PER(会社予想のEPS95円03銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の36円で算出)は約2.5%、前期実績PBR(前期実績のBPS578円06銭で算出)は約2.5倍、そして時価総額は約185億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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