ヤマシタヘルスケアホールディングスは23年5月期2Q累計減益だが、営業・経常利益は通期予想を超過達成

(決算速報)
ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、1月6日の取引時間終了後に23年5月期第2四半期累計連結業績を発表した。低侵襲治療分野や専門分野が牽引して増収だが、販管費の増加などで営業・経常減益、特別損失(貸倒引当金繰入額)の計上で最終赤字だった。そして通期の減益予想を据え置いた。ただし第2四半期累計の営業・経常利益は通期予想を超過達成しており、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く軟調だが、22年9月の昨年来安値を割り込まずに推移して下値固め完了感を強めている。23年5月期減益予想を織り込み済みであり、第2四半期累計減益に対するネガティブ反応は限定的だろう。出直りを期待したい。

■23年5月期2Q累計減益だが、営業・経常利益は通期予想を超過達成

23年5月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比1.2%増の276億61百万円、営業利益が9.9%減の5億98百万円、経常利益が10.9%減の6億24百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億01百万円の赤字(前年同期は4億71百万円の黒字)だった。

低侵襲治療分野や専門分野が牽引して増収だが、販管費の増加などで営業・経常減益、特別損失(貸倒引当金繰入額6億11百万円)の計上で最終赤字だった。なお、22年11月に公表したジェミックに対する債権取立不能または取立遅延のおそれの発生について、債権の全額6億11百万円を取立不能見込額として、同額を特別損失の貸倒引当金繰入額として計上した。当該債権については引き続き回収交渉に注力するとしている。

医療機器販売業は、売上高が1.3%増の275億96百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が3.0%減の10億41百万円だった。売上高の内訳は、一般機器分野が22.2%減の32億69百万円、一般消耗品分野が2.2%増の118億80百万円、低侵襲治療分野が9.2%増の68億14百万円、専門分野が10.1%増の50億31百万円、情報・サービス分野が1.6%減の6億01百万円だった。

コロナ対策補助金による医療機関の設備投資需要減少などで一般機器分野が低調だったが、新型コロナ検査試薬の増加や検査・手術件数回復に伴う診察材料の増加などで一般消耗品分野、低侵襲治療分野、専門分野が堅調に推移した。

医療機器製造・販売業は売上高が2.7%増の1億40百万円で利益が21.6%減の3百万円、医療モールは売上高が1.6%減の33百万円で利益が39.1%減の0百万円だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が134億71百万円で営業利益が2億59百万円、第2四半期は売上高が141億90百万円で営業利益が3億39百万円だった。

通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年5月期比3.7%減の531億17百万円、営業利益が43.6%減の5億25百万円、経常利益が43.5%減の5億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が43.2%減の3億95百万円としている。配当予想は22年5月期比36円減配の46円(期末一括)としている。

コロナ関連以外の診療や手術症例等については堅調に推移するが、コロナ対策補助金による一時的な対策需要が見込めないため減収・大幅減益予想としている。ただし保守的だろう。第2四半期累計の進捗率は売上高52.1%、営業利益113.9%、経常利益110.2%である。第2四半期累計の営業・経常利益は通期予想を超過達成しており、通期会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く軟調だが、22年9月の昨年来安値を割り込まずに推移して下値固め完了感を強めている。23年5月期減益予想を織り込み済みであり、第2四半期累計減益に対するネガティブ反応は限定的だろう。出直りを期待したい。1月6日の終値は1600円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS154円92銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の46円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3126円18銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約41億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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