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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ソフトクリエイトHDは9月の戻り高値から反落したが調整一巡感、中期成長力を評価して切り返し
- 2014/10/29 07:31
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ECサイト構築ソフトのソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)の株価は、今期(15年3月期)配当予想の増額修正も好感した9月29日戻り高値1001円から反落し、全般地合い悪化が影響して10月17日の860円まで調整した。しかし足元では900円近辺に戻して調整一巡感を強めている。中期成長力を評価する流れに変化はなく切り返し展開だろう。
ECソリューション事業(ECサイト構築ソフト「ecbeing」の販売からECサイト構築・運用支援、データセンターでのホスティングサービス提供、ECプロモーション提供までの総合サービス)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフトの販売、基幹系システムの受託開発など)、物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。
顧客のEC事業立ち上げ時の戦略コンサルティングから、ECサイト構築・運用支援、さらにリスティング広告・SEO対策などのプロモーションサービスまで総合的なサービスを提供していることが強みだ。ECサイト構築実績は前期(14年3月期)までの累計で中堅・大手優良企業向けを中心に国内断トツ首位の826社に達し、ECサイト構築実績の積み上げに伴う運用支援・保守などストック型収益が拡大基調である。
中期成長戦略としては、単なるECシステム提供企業からeビジネス総合デベロッパーへの発展を目指して、インターネット広告や運用支援などデジタルマーケティング市場にも積極展開してビジネス領域を拡大している。アライアンス戦略では13年5月に日本ユニシス<8056>と資本・業務提携、13年9月に東芝テック<6588>と業務提携している。
10月23日には子会社エイトレッドが、Webフォームワークフロー「X-point」とマイクロソフトの統合ビジネスプラットフォーム「SharePoint」との連携機能の提供を開始すると発表した。連携によって統合プラットフォームとしてさらに効果的に活用できるとしている。
今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月9日公表)を据え置いて、売上高が前期比4.3%減の115億円、営業利益が同2.2%増の15億01百万円、経常利益が同0.6%増の15億10百万円、純利益が同4.8%増の8億円としている。
配当予想は9月6日に増額修正を発表し、前回予想(5月9日公表)に対して2円増配の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。前期との比較では3円増配となる。
セグメント別売上高の計画は、ECソリューション事業が同10.9%増の59億円、SI事業が同4.2%減の23億円、物品販売事業が同23.3%減の33億円としている。物品販売事業がウインドウズXPサポート終了に伴う入れ替え需要の反動や消費増税の影響を受けるため、全体としては減収見通しだ。
ただし主力のECソリューション事業は中堅・大手優良企業のECサイト構築需要の増加に伴って、ECサイト構築ソフト「ecbeing」の販売やカスタマイズが好調に推移する。期末ECサイト累計構築数は前期末比90社増加の916社となる見通しだ。ネット広告需要の増加でデジタルマーケティングビジネスも拡大する。利益面ではECソリューション事業の好調で開発費、広告宣伝費、人件費などの増加を吸収して増益見通しとしている。
第1四半期(4月~6月)はECソリューション事業が牽引して前年同期比7.6%増収、同14.8%営業増益、同15.9%経常増益、同2.0倍最終増益と好調だった。EC関連市場が拡大基調であり、ストック型収益が拡大基調であることも考慮すれば、今期業績の会社見通しは保守的で上振れ余地があり、国内断トツ首位のECサイト構築実績を武器として中期的にも収益拡大基調だろう。
株主優待制度は毎年3月31日および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は保有株数に応じてオリジナルQUOカードを贈呈(3000株以上保有株主に対してQUOカード3000円分など、詳細は会社ホームページを参照)し、2年超の継続保有株主に対しては長期保有優待制度も実施している。
株価の動きを見ると、今期配当予想の増額修正も好感した9月29日の戻り高値1001円から反落し、全般地合い悪化が影響して10月17日の860円まで調整した。しかし足元では900円近辺に戻して調整一巡感を強めている。
10月28日の終値901円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS59円55銭で算出)は15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS419円95銭で算出)は2.1倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋り感を強めている。サポートラインを確認した形だ。中期成長力を評価する流れに変化はなく切り返し展開だろう。