【チャート診断】日経平均は短期堅調も中期はアベノミクス不透明で上値限定的
- 2015/8/8 04:00
- チャートでみる株価
■個人は押し目買いより突っ込み買いで対応
日経平均が今年4月に2万円台に乗せたあと6月の2万0952円を頭として長期間モミ合っている。主力株の動きが鈍くなっていることからマーケットの一部で強気期待の3万円があるのかどうか気になるところである。
<歩み&現在位置>
2012年暮れの政権交代を起点に日経平均は6月の2万0952円まで約1万2300円上昇、率で2.4倍となっている。
足元では4月10日の2万円台乗せ以降、去る、7月9日の1万9115円まで急落場面はあったものの、総じて高値圏でのモミ合いが続いている。現在、高値に対して9.8合目水準にあり、ちょっとツマ先立ちすれば高値に届く位置にある。しかし、なかなか、手が届かないじれったさがある。
<マーケットの視点>
ほぼ3年で日経平均が約2.4倍ということで日柄的にも上昇率でもフシに来ている。とくに、『大回り3年』の相場サイクルから、政治、景気などを改めてチエックするところに来ているとの視点である。
とくに、政権誕生3年の安倍政権に支持率低下が顕著で陰りがみられる。そのことは同時にアベノミクスに対する不安でもある。ここまでの景気回復は評価できるものの、この先、アベノミクスに期待できるのかという投資家の不安心理はきゅうそくに高まっている。
アベノミクス継続のためには支持率回復が条件といえるが、早くも、一部ではポスト安倍総理に女性総理誕生も囁かれている。8月15日の総理の戦後に対する表明で総理の政権維持に対する腹が見えてくるだろうし、とくに、9月中の参議院の安保関連法案採決が相場にとって大きいフシとなりそうだ。
<方向&短期中期判断>
短期的には4~6月期決算の好調を買う「余熱相場」が続きそうである。ただ、主力株の動きは上値が重くなっていることも事実。また、日経平均に採用されている上位寄与度銘柄でなく下位寄与度銘柄が注目されていることから日経平均は従来のように大きく値を上げることは難しそうだ。
連続安のNYダウが反発に転じるタイミングだけに日経平均は一時的にNYダウにツレ高して2万1000円台へ乗せる可能性はありそうだ。しかし、中期的はアベノミクスへの不透明感があるだけに上値は限定的だろう。
仮に、上値を伸ばすところがあっても、主力株については持株を軽くしたい投資家が多いようだから個人投資家は間違っても肩代わりすることのないよう深追いは避けて、とくに、押し目買いではなく、突っ込み買いにスタンスを変えるところだろう。