【株式市場特集】円高メリット株のうちSPA(アパレル製造小売業)、SPF(家具製造小売業)、SPS(靴製造小売業)などの製造小売株に注目

 今週の当特集は、円高メリット株のうちSPA(アパレル製造小売業)、SPF(家具製造小売業)、SPS(靴製造小売業)などの企画・製造・販売を垂直統合するビジネスモデルの製造小売株に注目した。SPAの代表のファーストリテイリング<9983>(東証プライム)は、素材高、輸送費高騰、円安進行などを理由に昨年秋冬物を値上げしたのに続き、今年春夏物の値上げも発表したが、今後の為替動向次第では値下げの可能性もないとはいえない。100円・300円ショップ株も含め、関連株の再浮上を期待したい。

■相次ぐ値上げで原材料・輸送費増をカバーして業績上方修正組も

 製造小売株は、SPAのファーストリテイリングにしろSPFのニトリホールディングス<9843>(東証プライム)にしろ投資採算的に必ずしも割安とはいえない株価水準にある。しかしおしなべて円安・原材料価格の高騰に対して価格改定を数次にわたって行っており、ニトリHDは円安から円高への転換に対して逆に製品価格の値下げも検討した。これに加えてファーストリテイリングは、今年2月28日に株式分割(1株を3株に分割)し、SPSのエービーシー・マート<2670>(東証プライム)は今期業績を上方修正、SPGの良品計画<7453>(東証プライム)は業績伸び悩みが続くが値下げ処分の在庫調整にメドをつけている。またバロックジャパンリミテッド<3548>(東証プライム)は今期業績を大幅下方修正し大幅減益となったが、これは中国の「ゼロコロナ政策」により最大95店舗が休業したことによるとしたことで、株価は逆に売られた801円安値から底上げに転じている。

 ファーストリテイリングと同業のSPAでは、アダストリア<2685>(東証プライム)とハニーズホールディングス<2792>(東証プライム)が業績を上方修正したほか、ワールド<3612>(東証プライム)は、中間業績が上ぶれ着地しており、この3社のPERは7倍台~12倍台と割安である。

■100円・300円ショップ株もビジネスモデル再生での強みを回復

 円安と原材料価格の高騰で100円均一のビジネスモデルの先行きが不透明化し業績と月次売上高が伸び悩んだ100円ショップ株も、円高・ドル安転換でリバウンド展開も想定される。キャンドゥ<2698>(東証スタンダード)、ワッツ<2735>(東証プライム)、セリア<2782>(東証スタンダード)が該当し、100円ショップ向けの卸売商社のドウシシャ<7483>(東証プライム)、レック<7874>(東証プライム)は今年1月につけた年初来高値の更新が期待され、中山福<7442>(東証スタンダード)も割安修正に再発進しよう。

 100円ショップ以上に大手メディアへの露出度が高まっている300円ショップ株も要注目で、今年1月に年初来高値を更新したパルグループホールディングス<2726>(東証プライム)の高値追いと、パレモ・ホールディングス<2778>(東証スタンダード)の低位値ごろ株思惑が続きそうだ。良品計画の株価動向次第では、同社向けなどに商材を供給している三栄コーポレーション<8119>(東証スタンダード)が、昨年来安値水準から底上げする可能性も強まる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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