【銘柄診断】フィットは2Q高利益進捗率業績を手掛かりに下げ過ぎ修正買いが拡大し続伸
- 2023/1/24 08:44
- 銘柄診断
フィット<1436>(東証グロース)は、前日23日に4円高の676円と変わらずも含めて3営業日続伸して引け、今年1月4日に顔合わせした昨年来安値656円から出直る動きを強めた。昨年12月12日に発表された今2023年4月期第2四半期(2022年5月~10月期、2Q)累計の売り上げが、2Qとして過去最高となり利益は減益着地となったが、4月期通期業績対比で高利益進捗率となったことを手掛かりに、4月期通期純利益が連続して過去最高更新と見込まれていることを見直し下げ過ぎ修正買いが増勢となった。東京都で新築住宅に太陽光パネルの設置を義務付ける条例が可決されたことや、同社が経済産業省の「DX(デジタルトランスフォーメーション)事業者」に認定されたことも、側面支援材料視されている。
■「脱炭素デキルくん」の販売棟数、管理件数が続伸し通期純益は連続過去最高
同社の今期2Q累計業績は、売り上げ44億9500万円(前年同期比14.3%増)、営業利益3億500万円(同28.0%減)、経常利益2億9100万円(同33.9%減)、純利益1億7100万円(同35.7%減)の増収減益で着地した。売り上げは、今期から単一セグメントとした「脱炭素デキルくん」事業の住まいの販売棟数が88棟(前年同期は77棟)、アセット管理の管理件数が1920件(同1829件)、情報プラットフォームの「脱炭素デキルくん」の会員数も昨年7月末の3244人から3919人にそれぞれ伸びたことなどから2Qとして過去最高となった。利益は、建設費高騰や積極的なDX投資負担などで減益となったが、今4月期通期業績に対する利益進捗率は、53%~61%と目安の50%を上回った。このため通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ80億円(前期比11.3%増)、営業利益5億円(同4.5%増)、経常利益5億円(同2.8%増)、純利益3億2000万円(同13.3%増)と見込み、純利益は連続して過去最高を更新する。
一方、2025年に施行される東京都の太陽光パネル設置義務化条例は、同社の太陽光発電システム標準搭載の分譲住宅の追い風になり、DX推進の準備が整っていると認定された「DX認定事業者」として「脱炭素デキルくん」では、今年4月から投資用ソーラー発電所の売買サイトの掲載を予定してコンテンツをより多様化することも、業容の拡大につながると期待されている。
■PER8倍、PBR0.6倍の底値から戻り高値を抜け昨年来高値へ
株価は、前期第3四半期の高利益進捗率業績を評価してつけた昨年来高値1015円から712円安値まで調整し、東京都が太陽光パネル設置義務化の基本方針を策定したことで813円の戻り高値へ急伸する場面もあったが、昨年12月に東証グロース市場中心にIPO(新規株式公開)ラッシュがあった煽りを受けて昨年来安値656円へ再調整し底上げを窺っているところである。PERは8.6倍、PBRは0.6倍と割り負けており、戻り高値813円奪回から昨年3月につけた1株純利益水準の昨年来高値1015円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)