【編集長の視点】日本エム・ディ・エムは中期経営計画の初年度の2Q業績上方修正を見直し反発

編集長の視点

日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は、5円高の622円と反発して始まり、2月2日につけた年初来高値659円を意識する動きを強めている。同社株は、今年7月30日に今3月期第2四半期(2Q)累計業績を上方修正、3月通期業績は、期初予想を据え置きとしたが、今期は推進している中期経営計画の初年度に当たり、その初年度での上方修正だけに業績期待を高め買い再燃となっている。引き続き国内証券調査センターが、同社株を新規に最高位で格付けし目標株価を670円としたことも買い手掛かりとなっている。

■中期計画の最終年度には経常利益が今期予想比50%増

同社の中期経営計画は、今期から2018年3月期までの3カ年を計画期間としており、今期予想の売り上げ133億円、営業利益14億円、経常利益12億円を最終年度の2018年3月期にそれぞれ160億円、20億円、18億円に高成長させ、営業利益は42%増、経常利益は50%増とすることを目標としている。この高成長を実現するために、開発を強化して10品目以上の自社開発製品群を継続投入し、米国子会社のODEV社の製造能力も拡大させ、国内では、シェア拡大に向け営業体制を細分化させて地域密着営業を推進し、海外事業も、北米の東・西海岸を中心に北米市場を開拓する。

 この初年度に当たる今3月期の第1四半期(1Q)業績は、前年同期比15.7%増収、37.7%営業増益、41.8%経常増益、62.2%純益増益と大幅続伸して着地するとともに、今期第2四半期(2Q)累計業績を上方修正した。期初予想より営業利益、経常利益を各1億5000万円、純利益を8000万円それぞれ引き上げ、営業利益は、5億円(前年同期比1.5%増)と期初の減益予想が増益転換し、経常利益は4億円(同1.3%減)、純利益は2億円(同7.3%減)と減益転換率を縮小する。

1QにODEV社の人工関節製品、骨接合材料製品が国内、米国で順調に推移し自社製品売上高比率が、前年同期の79.8%から84.0%にアップ、減価償却費が計画を下回ったことから急激な円安進行の影響による売上原価率の上昇をカバーして上方修正につながった。3月通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ133億円(前期比12.2%増)、営業利益14億円(同8.1%増)、経常利益12億円(同10.4%増)、純利益7億円(前期は3億9100万円の赤字)と見込んでいるが、中期計画初年度の業績上方修正で業績期待を高めている。

■年初来安値から3割高し昨年11月高値を目指し再発進

株価は、全般相場急落の波及で年初来安値483円まで突っ込んだが、ベルギーのMaterialise社との取引契約締結発表をキッカケに600円台を回復し、2Q累計業績の上方修正も加わって640円まで3割高した。足元は高値もみ合いが続いているが、国内証券調査センターの目標株価も意識されるところで、年初来高値659円から昨年11月高値698円を目指す再発進が有望となる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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