【銘柄診断】魚力は四半期ベースの業績回復を手掛かりに下値抵抗力、昨年来高値を目標に再発進

銘柄診断

 魚力<7596>(東証プライム)は、今年1月31日に今2023年3月期第3四半期(2022年4月~12月期、3Q)決算を発表し、減収減益転換して着地したが、3カ月ごとの四半期業績ベースでは回復を示したことを手掛かりに下げ過ぎ修正買いが目先の利益を確定する売り物と交錯している。テクニカル的にも5日移動平均線が、25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し、その25日線を前に下値抵抗力を発揮しており、フォローの材料視されている。

■第2四半期の減収減益を底に順調に売り上げ・経常利益が拡大

 同社の今期3Q業績は、売り上げ256億1100万円(前年同期比1.1%減)、営業利益8億3000万円(同28.1%減)、経常利益10億7500万円(同31.0%減)、純利益7億1900万円(同35.0%減)と減収益転換した。前期の巣ごもり消費需要の反動減に加え、円安や不漁による魚価高騰による消費者マインドの悪化、諸コストの上昇が続いたことなどが要因となった。そのなかでも小売事業で、2店舗を新規出店(退店3店舗)し作業オペレーションの統一化や配送コストの削減など運営のいっそうの効率化を進め、卸売事業では、子会社の魚力商事が米国で既存取引先への拡販や新規取引先の開拓を進め売り上げは36億3300万円(同33.9%増)、営業利益は1億4200万円(同51.9%増)と好調に推移した。

 今2023年3月期通期業績は、昨年7月の下方修正値を据え置き売り上げ352億円(前期比3.1%増)、営業利益13億円(同10.5%減)、経常利益16億3000万円(同20.7%減)、純利益10億5000万円(同4.0%増)と見込んでいる。この通期業績を3カ月ごとの四半期ベースで単純比較すると、第2四半期の売り上げ77億4200万円、経常利益2億600万円の減収減益を底に、第2四半期は同じく94億8800万円、5億2100万円、さらに第4四半期は通期予想業績達成となれば同じく95億8900万円、5億5500万円と回復を鮮明化する計算になる。経済活動正常化のリオープン後の来2024年3月期業績への期待を高める。

■ミニGC示現で上昇トレンド転換し昨年来高値を目標に再発進

 株価は、昨年7月の昨年来高値2540円から今期業績の下方修正と東証プライム市場の上場基準クリアのために実施した株式売出し(売出価格2163円)が重なって1991円まで売られ、その後の第2四半期の減益業績も織り込み済みとして2175円までリバウンドして売出価格を回復、足元では5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。下値抵抗線となっている25日線をベースに昨年来高値2540円を目指し再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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