トーソーは原材料価格高騰で23年3月期3Q累計減益、通期減益予想据え置き

(決算速報)
 トーソー<5956>(東証スタンダード)は2月3日の取引時間中に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。新設住宅着工戸数が減少する厳しい状況でも非住宅分野や海外などの拡販、カーテンレールの価格改定などで増収だったが、原材料価格高騰の影響や販売促進関連費用の増加などで減益だった。そして通期予想を据え置いた。原材料価格高騰の影響などを考慮して減益予想としている。製品価格改定効果やコストダウン効果などで24年3月期の収益改善基調を期待したい。株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、一方では徐々に下値を切り上げている。そして第3四半期累計業績に対するネガティブ反応は限定的だった。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期3Q累計減益、通期減益予想据え置き

 23年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比1.6%増の155億28百万円、営業利益が36.5%減の3億69百万円、経常利益が34.0%減の4億07百万円、親会社株主帰属四半期純利益が38.4%減の2億41百万円だった。

 売上面は、新設住宅着工戸数が減少する厳しい状況でも増収だった。住宅分野の販売が減少したが、非住宅分野、海外、福祉用品の販売が増加し、カーテンレールの価格改定も寄与した。利益面は、資材ロス低減や生産工程見直しなどの原価低減を推進したが、原材料価格高騰の影響で売上総利益率が低下(40.9%で1.8ポイント低下)し、さらに新製品発表や展示会の開催に伴う販売促進関連費用の増加をカバーできず減益だった。

 セグメント別に見ると、室内装飾関連事業は売上高が1.3%増の151億90百万円でセグメント利益が36.7%減の3億57百万円、その他(福祉用品など)は売上高が13.3%増の3億37百万円でセグメント利益が28.8%減の11百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が48億46百万円、営業利益が43百万円、第2四半期は売上高が53億19百万円で営業利益が1億25百万円、第3四半期は売上高が53億63百万円で営業利益が2億01百万円だった。営業損益は改善基調である。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比3.1%増の215億円、営業利益が23.6%減の6億円、経常利益が23.6%減の6億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が21.0%減の4億20百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 原材料価格高騰の影響などを考慮して減益予想としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が72.2%、営業利益が61.5%、経常利益が64.6%、親会社株主帰属当期純利益が57.4%と低水準の形だが、住宅関連市場の影響で第4四半期の構成比が高い季節特性があり、四半期別の営業損益が改善基調であることを勘案すれば通期会社予想の達成は可能だろう。さらに製品価格改定効果やコストダウン効果などで24年3月期の収益改善基調を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だが、一方では徐々に下値を切り上げている。そして第3四半期累計業績に対するネガティブ反応は限定的だった。23年3月期減益予想を織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。2月3日の終値は500円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS46円95銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1476円41銭で算出)は約0.3倍、時価総額は約50億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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