【鈴木雅光の投信Now】老後の資産形成に使える投資信託は?
- 2015/8/11 09:02
- 株式投資News
50歳になり、定年まで残すところ10年。資産形成は万全でしょうか。
なかには「貯蓄なんて1銭もないよ」という方もいらっしゃると思います。そういう方は、まずこの10年間で1000万円を目標に資産形成をするしかありません。これに退職金が2000万円入れば、60歳の時点で3000万円の資産を築くことができます。もちろん、これで老後は完全に安泰とは言えませんが、3000万円という一塊の資金が出来るので、あとはこれを更に運用しながら、一部を取り崩して生活費に充てていけば良いでしょう。
では、1000万円を作るためには、どの程度の積立額が必要でしょうか。
仮に運用利回りを3%と想定し、10年間毎月積み立てていく場合、1000万円に到達するためには、毎月約7万2000円を積み立てていく必要があります。
結構な金額です。もし、積立負担をもう少し軽減したいのであれば、運用利回りを高めるしかありません。そこで運用利回りを6%と想定すると、毎月の積立金額は6万1000円まで減額できます。
資産を殖やすための公式は、積立金額と利回り、期間を掛け合わせたものです。したがって、積立負担を重くしたくない、あるいは利回りを上げてリスクを高めたくないというのであれば、残された手段は運用期間を長期化させるしかありません。すでに時間が過ぎてしまった方の場合は無理ですが、20代、30代の人からすれば長期で運用できますから、リスクと積立の負担を軽減する余地が生じてきます。仮に運用期間を20年に出来れば、運用利回り3%、月々の積立金額が3万1000円で、1000万円を達成できます。
問題は何で運用するかですが、たとえばMSCIコクサイという、世界先進国を総合した株価インデックスは、1994年5月末から2015年7月末までの間で、年平均8.86%のリターンを上げています。この間、ITバブルの崩壊やリーマンショックがあったにも関わらず、長期で見れば8%程度のリターンが上がっているのです。
MSCIコクサイに連動するインデックスファンドも運用されているので、残り10年で1000万円を達成したいのであれば、この手のファンドを積み立てていくのもひとつの手だと思います。