【編集長の視点】デジタル・インフォメーション・テクノロジーは続落も初決算発表を前にネットセキュリティ関連株人気が再燃余地

編集長の視点

デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>(JQS)は、150円安の4500円と3営業日続落して始まっている。今年8月5日につけた2番底4475円水準で売り買いが交錯している。ただ、同社株は、今年6月18日に新規株式公開(IPO)され、IPO後の初決算となる前2015年6月期業績の発表を今週末14日に予定しており、下値から業績期待を高めて直近IPO株人気が再燃する展開も想定される。9月30日に開かれる「ITpro EXPO 2015」で、同社がセキュリティ・セミナーを開催することも、ネットセキュリティー関連株買いを高めることになりそうだ。

■「ITpro EXPO 2O15」ではセキュリティ・セミナーも開催

同社は、非クラウド型のソフトウエア事業開発からスタートしたが、IT技術の進化と変化に対応して事業領域を広げて独自の自社商品を開発、「多面多様のIT企業」に発展した。なかでも注目されているのが、Webサイトの改ざんを瞬時に検知して復旧するソリューション「WebARGUS(ウェブアルゴス)」やフィッシングメール対策ソリューション「APMG」、データ作業の悩み解決ソフト「xoBlos(ソブロス)」などで、とくに「ウェブアルゴス」は、昨年の「ITpro EXPO 2O14」で優秀賞を受賞した。

目下集計・精査中の前2015年6月期業績は、このネットセキュリティソリューションが大手銀行、証券会社、官公庁に導入されていることなどから、売り上げ84億300万円(前々期比4.4%増)、営業利益3億8600万円(同16.6%増)、経常利益3億9300万円(同16.0%増)、純利益2億7200万円(同29.5%増)と見込まれた。また、配当もIT関連のIPO株として希少の20円配当を予定している。続く今2016年6月期業績の動向は、今週14日予定の決算発表を待たなくてはならないが、「ITpro EXPO 2O15」では、「狙われたウェブサイト、リアルな攻撃の実例からウェブセキュリティの最適解を紐解く」と題するセミナーを開催する予定だけに、引き続き業績期待を高めている。

■2番底から直近IPO株人気を高め25日線から9%超の下方かい離を修正

株価は、今年6月18日に公開価格1700円でIPOされ、IPO前に日本年金機構から125万件の年金情報が流出するなどサイバー攻撃が相次いだことから、IPO初日は買い気配のまま推移、上場2日目に4500円で初値をつけて初値比ストップ高、3日目、4日目も連続してストップ高となり上場来高値7200円まで買い上げられる高人気となった。最高値後は、全般相場急落もあって上場来安値4115円まで突っ込んだが、ここからも2日間のストップ高を交えて戻り高値の6320円までリバウンド、4475円の2番底をつけたあと、底もみを続けている。テクニカル的にも25日移動平均線からは9.6%のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、直近IPO株人気再燃で戻り高値奪回から全値戻しも視野に入れよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  2. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  3. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  4. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  5. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  6. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る