2009年11月24日
東洋建設:売上は第3四半期以降にずれ込むも純利益は計画を上回る
■海外の受注高はフィリピン・ベトナムの大型工事により大幅増
海洋土木の東洋建設<1890>(東1)は、20日に本社で今10年3月期第2四半期決算説明会を開催した。
12日に発表されているように、第2四半期連結業績は、売上高551億3800万円(前年同期比7.2%減)、営業利益3億200万円(同48.8%減)、経常利益△1億1800万円(前年同期6100万円)、純利益△5億8500万円(同△8億500万円)となった。
受注が第2四半期に集中したことで、売上は第3四半期以降にずれ込むことから減収となったが、利益面では当初計画を上回った。
第2四半期単体受注高を見ると、海上土木は216億円(前年同期比35.8%増)と補正執行分を含めて順調、陸上土木は35億円(同53.4%減)と競争の激化により大幅減、建築は133億円(同42.5%減)と民間設備投資の低迷により大幅減、海外は115億円(同45.5%増)とフィリピン・ベトナムの大型工事により大幅増となっている。全体では、陸上土木、建築の減はあったものの、499億円(同8.3%減)を確保した。
セグメント別単体売上高は、羽田拡張工事の売上は順調であるが、今期受注分は下期に完成することから海上土木は210億円(同15.0%減)、陸上土木は96億円(同24.6%増)、建築は進行基準適用範囲の拡大もあり186億円(同15.5%増)、海外は20億円(同39.4%減)であった。
■那覇空港の沖合に滑走路増設と海洋土木工事のニーズは高い
今通期連結業績予想は、売上高1450億円(前期比6.9%減)、営業利益32億円(同4.1%増)、経常利益22億円(同22.7%増)、純利益9億円(同62.4%増)と減収ながら、最終利益は大幅増益を見込む。
10年3月期セグメント別単体の受注見込みは、国内土木700億円(前期比15.8%増)、国内建築380億円(同0.7%増)、海外140億円(同18.6%増)となり、全体では1220億円(同10.9%増)を見込む。
単体のセグメント別売上高予想は、国内土木830億円(同4.0%減)、国内建築410億円(同4.0%減)、海外60億円(同13.1%減)と見込んでいる。
現在の建設業を取り巻く環境は、公共部門は、政権交代により、公共事業はこれまでの新設から維持という方針へ変わり、新規事業の大幅削減が予想される。一方で、国土交通省成長戦略会議では検討課題として、海洋国家日本の復権のため、港湾の国際競争力の強化、羽田空港のハブ化等が取り上げられている。
その様な状況の中で、ハイパー中枢港湾整備事業、バルク埠頭の整備等、船舶の大型化に対応した増深が必要となっている。更に、羽田空港の国際化に向けて、C滑走路延伸、D滑走路の整備等羽田関連工事が進んでいるほか、那覇空港の沖合1310mに滑走路増設と海洋土木工事のニーズはまだまだ高い。