アルトナー<2163>(JQ)は、1962年に創業の技術者派遣のパイオニア。主力の機械設計をはじめとして、電気・電子設計、ソフト開発を行う。サブプライムローン問題の影響で不況の真っ只中にあるが、同社の顧客である企業の技術者に対する需要は旺盛である。
新卒者の採用数をみると、02年40名、03年50名、04年95名、05年144名、06年159名、07年167名、08年178名と年々増加している。しかも新卒者だけでは企業のニーズに応えられないことから中途採用も実施している。企業が同社の技術者をいかに評価しているかを窺い知ることができる。
企業の信頼に応えるために、同社ではスペシャリストを育てるテクニカルセンターを大阪、名古屋、東京の3箇所に設け、新入社員を約3ヶ月間教育する。その後、顧客の要望、適性によって各企業に配属する。配属された後にも同社特有のT字型スペシャル教育(縦軸は人間教育、横軸は技術教育)が続けられる。人間教育では各界の有名人講師を招いて年間平均16講座のセミナーが実施される。技術教育では職種ごとに4、5グループに分けて、年8回から10回の勉強会が実施される。このほかに、年2回個別面談が行われ、技術指導員が次のステップアップをフォローする。技術力を着実に身につけるシステムを構築していることで、同社の評価は高まっている。4月末の社員数は885名、取引社数は120から130社。
☆社員の技術スキルを顧客に随時確認、多くのニーズを事前に把握
派遣業界では3年間派遣社員を採用した企業は、正社員として採用しなければならない制度があり、特に09年にそのような例が多く発生することから09年問題と言われている。派遣業界では死活問題に発生しているが、同社にとっては全く影響ない。というのは同社が行う設計、開発業務の期間は長くても3年未満で終了するため、そのような例はめったに発生しない。しかも設計、開発の仕事が終了したら間を置かず、次の派遣先が待っているため、稼働率は97.44%と業界でも高い水準を保っている。技術者1人に対して多くの企業ニーズが絶えず待っているのが実状である。それほど企業の商品開発需要が高いといえる。
☆売上高は過去最高、不況に強く、配当利回り5.79%で絶好の仕込み時
今年5月より請負の部署を設立している。設計に関して特に顧客の要請が高いため、その要請に応える形で設立した。元々設計開発で立ち上げた企業であることから、企業の信頼は高く、今後は請負業務を、派遣事業を補完する一つの事業に拡大する方針である。
今期業績予想は、売上高54億6500万円(前期比11.5%増)、経常利益4億2000万円(同2.6%増)、純利益2億2200万円(同7.8%減)を見込む。2ケタの増収を見込むも最終利益が減益となるのは法人税の実効税率見直しによる影響。現代表取締役社長関口相三氏の持株比率が期末で50%を割り込んでいれば、最終利益に対する税率が削減されるために当初予想より増加する。
配当に関しては、配当性向30%以上を維持することを経営目標としていることから今期末の配当は80円を予定している。
株価は、1380円と底値圏。売上高は過去最高であり、不況に強く、配当利回り5.79%を考慮すれば絶好の仕込み場といえる。
>>アルトナーのIR企業情報
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.09 |特集