技術者派遣で47年間の経験を活かし、上場以来最高益更新を続けてきたアルトナー<2163>(JQ)の09年1月期の業績は、顧客である企業の景気が悪化した影響から売上高52億93百万円(前々期比8.0%増)、営業利益3億48百万円(同23.0%減)、経常利益3億50百万円(同14.5%減)、純利益1億98百万円(同17.6%減)と増収ながら2ケタ減益という結果に終わった。
しかし、財務状況は、純資産10億36百万円と1億19百万円増加したことで、自己資本比率は59.5%となり、前回を7.8ポイント上回っていることから、財務内容は健全といえる。
同社の顧客企業の業績が、世界的な金融不安により悪化したことから、顧客企業においてコスト削減を目的とした人員見直しが図られ、結果、同社の派遣社員の稼働率が、昨年9月以降前年を下回る結果となった。1年間の平均稼働率は96.92%。ただ、1月の稼働率が95.0%台で終わっていることから、今期の業績予想は非常に慎重な予想となっている。
同社は、機械設計、電気・電子設計、ソフトウェア開発の技術者を各企業に派遣している。機械設計開発では2次元CAD、3次元CADを使用し、自動車や家電メーカーの仕事を受注している。電気・電子設計開発では製品の心臓部といえる回路基板の設計や、電子系の信頼性評価業務をメインワークとしている。ソフトウェア開発では、ハードの動作制御を開発する制御ソフト分野に強みを持ち、自動車関連メーカーや、家電メーカーからの需要に応えている。
しかし、主要顧客である自動車関連メーカー、家電メーカー共に売れ行きが落ちているため、今期の業績は大幅に悪化すると予想しているが、景気の回復が早期であれば、新製品へ向けての投資が積極的になるため、技術者派遣の需要も急回復されるものと予想される。
10年1月期業績予想は、売上高48億30百万円(前期比8.7%減)、営業利益0百円(同99.9%減)、経常利益1百万円(同99.5%減)、純利益0百円(同99.5%減)と減収大幅減益を見込んでいる。
今期業績は低迷する見込みであるが、非常に堅めの予想であり、景気回復の兆しが現れれば、業績の上振れも期待できる。今期配当は前期と同じく80円予想と株主へは配当で報いる方針。
同社は、大手自動車メーカー、家電メーカーにとっては絶対必要な技術者を派遣している企業で、47年間の実績を持っていることから、この一時的な業績の落ち込みによる株価の低迷はいずれ回復する。
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