
代表取締役社長津久井督六氏は挨拶の後、「当社は、マーケットシェアを確保するために成長戦略をとっていますが、そのためには収益の確保が必要であるため成長と収益のバランスを重視した経営を継続しています。在宅介護事業を中心に06年から有料老人ホーム事業、人材開発事業をスタートし、現在3事業を柱として、それぞれの事業を成長させるとともに相乗効果を生み出すことで、定期的に見直される介護保険制度の改正や介護報酬の改定による影響を軽減でき、将来的に安定した収益基盤の確立ができると考えています。08年度の出店実績は、デイサービス34ヵ所、グループホーム1ヵ所、有料老人ホーム2ヵ所、人材開発24ヵ所の合計61ヵ所を出店する一方で、8ヶ所の既存ヘルパーステーションを新設デイサービスと移転・統合した結果、53ヵ所増加して441ヵ所となり、全国47都道府県全部に出店することが出来ました」と念願であった47都道府県に同社の事業所を設けたことを発表した。
前09年3月期の業績は、5月13日に発表されているように、売上高361億7900万円(前々期比20.5%増)、営業利益16億3600万円(同32.4%増)、経常利益15億3100万円(同29.1%増)、純利益7億4000万円(同34.8%増)と3期連続の増収増益の最高益更新で着地している。
業績が順調に推移したことから、当初予定の期末15円配当から中間10円、期末10円の年間配当20円(08年3月期15円)と5円増配を行い、株主還元を実施。
セグメント別売上高は、在宅介護事業258億8900万円(同8.5%増)、有料老人ホーム事業39億800万円(同64.1%増)、人材開発事業63億5800万円(同69.5%増)と順調である。
営業利益は、在宅介護事業34億9200万円(同13.4%増)、有料老人ホーム事業△700万円(前々期△2億5900万円)、人材開発事業△8900万円(同△1億6600万円)と利益面でも主力の在宅介護事業は順調であり、2ケタの増益を確保。一方、有料老人ホーム事業、人材開発事業は赤字であったが、大幅な改善が進んでいる。
財務面では、総資産188億6800万円、純資産30億3600万円となった結果、自己資本比率は16.1%と4.4ポイント低下しているが、これは、前期より導入されたリース会計基準変更の影響によるものである。前期も業績は好調に推移しているため、自己資本は30億3600万円(同23.6%増)と大幅に伸びている。
今期の事業戦略は、在宅介護事業では、引き続き顧客満足度と従業員満足度を共に高めるために、既存のヘルパーステーションを新設デイサービスへ移転して統合する。今期は19ヵ所の移転・統合を計画している。
また、デイサービスの利用率を向上させるため、利用者に人気のある入浴設備をこれまでの一般浴、特浴(機械浴)、シャワー浴に加え、個浴、足浴を増やし、入浴施設の拡充を更に進める方針。更に、現場のマネージメント職も増員し、事業所の運営改善や職員の育成も注力していく。
今期の有料老人ホームの出店計画は、4月愛媛県松山市に定員80名のザ・サンシャイン松山を開設している。この施設にはデイサービスの施設を併設している。8月に川崎市に定員70名のザ・サンシャイン川崎宮前、10年3月に横浜市に定員66名のザ・サンシャイン横浜戸塚を予定している。今後は、首都圏を中心に、大都市に出店を計画している。また、今年の3月に有料老人ホーム営業本部を新設し、入居率のアップに努める。
運営面での取り組みでは、昨年2月に顧客満足度調査を実施したが、最後まで今の施設で暮らしたい60%、スタッフが変わらないでほしい50%、医療的なサービスの充実28%という結果であったことから、入居者のニーズを反映するために医療機関との連携の強化、職員の定着を重要課題と捉え、一層の改善を進めていく。また、顧客満足度を上げるには、従業員満足度を上げる必要があることから、職員の定着が運営面での課題と認識している。
人材開発事業の現在の状況は、47都道府県に67支店を設けている。1万1500人の登録者がいるが、稼働スタッフ数は2600人、取引先施設数は1600件。
今期の人材開発事業の新規出店はゼロとする一方で、既存67支店の収益基盤の強化に注力し、不採算店舗の改善を計画している。具体的には、派遣から紹介に切り替え、収益率の高い人材紹介事業を拡充し、医療系分野への市場を深耕していく。また、介護報酬・診療報酬の改定に伴い、介護福祉士、正看護師の需要増が予想されることから、ニーズをとらえた営業戦略を実施していく計画。また、介護・医療に特化した求人サイト「ツクステ」(ツクイのお仕事ステーション)の基盤を強化し、求職者・求人施設の認知度を向上させる一方で、200名の営業コーディネーターによる、既存取引施設・医療機関へのアプローチを行っていく。
今期の業績予想は、売上高430億9400万円(前期比19.1%増)、営業利益18億9600万円(同15.9%増)、経常利益16億100万円(同4.6%増)、純利益7億5400万円(同2.0%増)と有料老人ホーム事業、人材開発事業が黒字化することで、4期連続の最高益更新を見込む。
在宅介護事業、有料老人ホーム事業についてアンケート調査を実施した結果、同社への評価は「大変良かった〜まあまあ良かった」が在宅介護事業で96%、有料老人ホーム事業で85%、職員の努力に対する評価は「よく努力している〜努力している」が在宅介護95%、有料老人ホーム84%と好結果を得ている。この顧客満足度の高さが、最高益更新の要因といえる。
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