
業績発表後、2日連続でストップ高となり、株価の急騰が注目されている。そのような状況で、今通期連結業績予想を見ると、売上高50億円(前期比21.6%増)、営業利益6億円(同58.35増)、経常利益5億8000万円(同59.8%増)、純利益2億5000万円(同762.1%増)を見込んでいるが、第3四半期累計の進捗状況を調べると、売上高72.9%、営業利益48.8%、経常利益49.8%、純利益26.4%であり、売上高はともかく利益面の進捗率が低い。そこで、同社のIR担当者を訪問した。
「第3四半期までの利益面での進捗率に不安がありますが、現在の状況で通期計画の数値は達成できるのでしょうか。」と尋ねたところ。
「当初計画段階から、第1・2四半期は売上高が少なく、第3・4四半期に売上、利益が出る計画でしたので、第3四半期並みのペースで行けば売上、利益は達成できると見込んでおります。また、第2四半期までは、3年かけた大型案件の最終報告書のチェック、資料提出の準備といった予想以上のアフターコスト等が発生した影響で利益率が低下していましたが、第3四半期以降の利益率は通常に戻りますので、現段階においては通期業績予想は達成できると見ています。」と利益面での進捗率の低さも心配ないようである。
同社では、受注してから売上計上となるまで平均で約18ヶ月間かかるそうで、第4四半期で見込んでいる売上約13億5000万円の仕事は、少なくとも15か月前に受注していることになる。したがって、計画通りに、業務を消化し、予定期間内に売上となれば、今期業績予想通り大幅増収増益を達成することになる。
現在のSMO業界の新しい流れは、製薬メーカーがこれまで数社に治験業務を発注していたが、業務の効率化とスピード化をアップするために、大手数社に絞る動きが出ている。そのため、同社も子会社4社を1社に統合する計画。具体的には、7月1日にハイクリップスを綜合臨床薬理研究所と統合し、綜合臨床サイエンスとして発足、11月1日に残りの2社であるベルテール、トライアルサポートを同社に追加統合する予定。
同社はこれまで、M&A戦略により、事業規模を拡大してきた。04年7月期の上場時の受注残高23億7500万円と比較すると、09年1月期の受注残高は84億3900万円と急増している。そこで、今期は大きくなった組織の効率的な事業運営を目指し、組織の構造改革を実践している。また、手元資金に余裕があるため、5億7000万円の長・短期借入金返済を行っている。
事業規模の拡大、財務内容の健全化を実現し、製薬メーカーの一括発注に応える体制を整えていることから、業界での差別化を図っている。