2010年11月16日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

ピーアンドピーの第2四半期連結業績は微増収ながら大幅増


■下期より本格スタートするSPOサービス案件を多数獲得

ピーアンドピーHP 販売支援の請負業務を行なうピーアンドピー<2426>(JQS)は、11月5日に今11年3月期第2四半期連結業績を発表。
 売上高104億8000万円(前年同期比0.9%増)、営業利益2億4000万円(同74.5%増)、経常利益2億4200万円(同71.4%増)、純利益8800万円(同54.2%増)と微増収ながら大幅増益となった。
 8日に証券会館で開催された決算説明会で、代表取締役社長山室正之氏は、「今期のスローガンに"品格と高付加価値の創造"を掲げています。実現するには従来の変革では追いつかないので、"態を変える"ことを目標に高付加価値のあるサービスの提供を目指します」と今期に賭ける意気込みを語った。
 今期の重点施策として、SPOサービスの提案の継続実施、成長分野への投資と新たなサービスの開発、グループ組織体制の強化の3項目を掲げている。
 SPOサービスとは、同社独自の「セールス・プロセス・アウトソーシングサービス」の略で、放送・通信キャリア、一般消費財メーカー及び各関連企業を中心に販売支援・営業支援にかかわる各種サービス業務を表している。
 今上半期中には、同業他社にはない高付加価値のSPOサービスの積極的な提案を実施している。その結果、下期より本格スタートするSPOサービス案件を多数獲得している。

■既に、アパレルメーカーへデジタルサイネージシステムを導入

 また、店舗集客支援の新サービスとして、中国の旅行会社とタイアップし、業界初の「訪日ツアー紹介サービス」を開発し、クライアントを多数獲得。また、デジタルサイネージ(電子広告)事業の拡大も進めている。既に、アパレルメーカーへデジタルサイネージシステムを導入している。今後、メーカー向けに各チャネルに合わせたオリジナルコンテンツサービスの提供を開始する。
 グループ組織体制の強化策としては、グループリバイバルプランによる販売管理費削減を実施した。具体的には、不動産賃貸をはじめとした各種契約条件の見直しを実施。更に、不採算拠点の閉鎖、関西と名古屋の事務所を統合、グループ間での効率的な人員配置の実施を行っている。その結果販売管理費は17億1600万円(前年同期比9800万円減)となった。
 第2四半期連結業績を振り返ると、微増収でありながら大幅増益という特徴がある。

■大幅増益の要因は、SPOサービス等の利益率の高いサービスによる

 微増であった売上高をカテゴリー分野別に分けると、SPOサービス55億500万円(同2.3%減)、ストアサービス(生鮮技術者派遣・請負、レジ業務派遣・請負等)9億9300万円(同16.4%減)、人材サービス(コールセンター向け人材派遣・請負、事務・IT人材派遣、人材紹介等)30億9900万円(同24.4%増)、棚卸サービス(小売店・専門店・倉庫の商品棚卸代行業務)8億8100万円(同17.3%減)となっている。人材サービスが大幅に伸びているのは、前期にピーアンドピー・キャリアを子会社化したことによる。
 一方、大幅増益となった要因は、付加価値サービスの追加により利益率がアップしていることが大きい。例えば、SPOサービス、デジタルサイネージサービス、訪日ツアーサービス等同業他社では提供できないサービスの影響による。また、不採算事業の終了による利益率の改善も挙げられる。更に、リバイバルプランによる経費削減効果も大きい。
 最終利益の伸び率が営業利益、経常利益の伸び率より減少したのは、事務所移転・閉鎖に伴い1100万円、資産除去債務会計基準適用に伴い3200万円の特別損失を計上した影響による。

■販売促進にかかわる全ての分野をワンストップで支援するための商品を完成

 通期の連結業績については、売上高240億円(前期比9.4%増)、営業利益5億円(同33.4%増)、経常利益5億円(同32.4%増)、純利益2億5000万円(同4.71倍)と増収大幅増益を見込んでいる。
 通期業績数値を達成するために、「販売支援・営業支援」のトップ企業としての知名度アップを目的として、新スローガン"ともに変える、ともに変わる。For Your Vision"を掲げ、オリジナルキャラクター「アンドピピ」を立ち上げている。
 また、下半期も、高付加価値のサービスを提供するために、SPOサービスを組合わせ、販売促進にかかわる全ての分野をワンストップで支援するための商品を作り上げている。
 具体的には、販売促進支援、フィールド業務(店舗への販売支援)、店頭マーケティング(飲食・小売店の調査)、店頭ツールの作成等とP&Pレポーティングシステム(販売現場を中心にリアルタイムに店頭の情報をフィードバックできるレポーティングシステム)を組合わせることで、ワンストップソリューションを提供する。「これまで売場情報を知るのに3日間掛かっていた作業が、SPOサービスのワンストップソリューションサービスを利用すると瞬時に店舗の状況を知ることが出来ます」(山室正之社長)と店舗情報のスピード化に対応したサービスを開発している。

■Webを使ったWebSPOサービスも開発

 更に、Webを使ったWebSPOサービスも開発している。
 WebSPOサービスには、「Webサイト→Webサイト」、「リアル→Webサイト」、「Webサイト→リアル」と3パターンある。
 「Webサイト→Webサイト」では、クライアント、協力会社を介してWebサイト同士をつなぎ、Webサイトを経由して会員やサイト来訪者の獲得を行うサービス。
 「リアル→Webサイト」は、店頭や街頭、イベント会場等で、Webサイトの会員獲得キャンペーンを実施するサービス。
 「Webサイト→リアル」は、現在開発中で、Webサイトの会員に対して、働きかけを実施し、リアルの売場へ来店を促すサービス。小売店向けには集客、メーカー向けには自社商品の紹介が可能となるサービス。

■韓国の企業は、日本での家電販売のため、販売支援企業として同社を選択

 一方、海外事業については、インバウンド型、アウトバウンド型に分けられる。
 インバウンド型は、海外から国内への旅行客を対象としたサービスで、同社が開発した「訪日ツアー紹介サービス」がある。外国人ツアー客を対象とした販売、集客支援事業である。例えば、訪日ツアー集客、外国語接客、海外観光客セミナー開催、外国人向けの販促支援サービス(店内、商品POP作成、Web連動集客広告掲載、商品サンプリング)等である。
 アウトバウンド型は、海外で行う営業・販売促進支援、棚卸代行事業である。同社は、既に台湾で棚卸代行業を行っている。
 これまで東アジア圏は、世界の工場として注目を浴びていたが、現在は市場としても注目されるようになってきている。すでに、中国には日本の流通業界も進出している。従って、国内だけでなく海外でも同社が開発したSPOサービスが注目される可能性が高い。
 既に、韓国の企業は、日本での家電販売を行なうために、販売支援の出来る企業を応募し、最終的に同社を選択している。同社が開発したSPOサービスは国内のみならず海外でも需要が高まるものと思われる。

>>ピーアンドピーのMedia−IR企業情報