■データ分析監査ツールを利用した内部統制評価効率化サービスを提供
バルクホールディングス<2467>(名セ)のグループ会社であるバルクはBDOアドバイザリーとの業務提携を発表しているが、1月25日に新宿のエステック情報ビルディング15階にあるBDO三優監査法人内の会議室で、バルクとBDOアドバイザリーが業務提携についての記者説明会が開催された。
業務提携した背景には、J・SOXの適用により、内部統制監査に対する報酬が、08年3月期決算企業で、前期比1.85倍の5700万円に膨れ上がっている現実がある。また、内部統制評価業務は、内部監査部門で対応する企業が多く、その作業負担が増加している。そのため、内部統制評価作業の効率化、内部統制の改善によるキーコントロールの削減、海外子会社の効果的な評価などが課題となっている。
そこで、内部統制構築・評価支援のコンサルティング・アウトソーシング等の総合支援サービスを行っているバルクでは、コンサルティング現場で、クライアントの抱えるこれらの課題を実感しており、その解決策を求めるニーズに応えるために、既に、海外で実績のあるデータ分析監査ツールを利用した内部統制評価効率化サービスを提供できるBDOアドバイザリーとの業務提携に至った。
■監査コストの低減と新たなリスク管理の手法を紹介
BDOアドバイザリーは、データ分析監査ツールを用いた内部統制評価により、作業効率の向上と内部統制の改善を早期に実現するアウトソーシングサービスを企画している。特に、110カ国のネットワークを活かすことで、現地言語の問題も無く、効果的に、海外事業所の内部統制評価支援が可能である。したがって、海外に事業所を持つ日系のグローバル企業にとって、同社のデータ分析監査ツール「ACL」を導入することは、経費、時間の短縮につながるだけでなく、企業業績の信頼性を高めることになる。
また、バルクは、1000社を超えるプライバシーマーク取得支援、内部統制、情報セキュリティマネジメントコンサルティング等の導入実績及び、上場企業への営業ネットワークを持っていることから、今後伸びると予想されるBDOアドバイザリーのデータ分析監査ツール「ACL」を日本の上場企業に紹介できることから、膨れ上がる監査コストの低減と新たなリスク管理の手法を紹介していく。
■ACLによるデータ監査コンサルティングを導入で、監査時間の短縮化、人件費、経費の削減が可能
まず、活動の第1弾として、本日1月27日(水)13時30分より、エステック情報ビル15階のBDO三優監査法人の大会議室で「内部監査のエキスパートとなるデータ分析監査(CAAT)実践セミナー」を開催する。
バルクとBDOアドバイザリーの提携により、世界標準として実績豊富なデータ分析監査ツール「ACL」でデータよる監査を行なうことで、リスクアプローチが容易になる。内部統制の有効性評価では全てのデータを調査するのではなく、サンプルを試査した結果で、評価を実施するのが一般的である。
ACLによるデータ監査コンサルティングを導入することにより、対象データ全件を対象とした評価を行うことが可能となる。疑義のあるデータやプロセスを事前に把握できることから内部監査・外部監査ともに信頼性・効率性が高くなる。
ACLによるデータ監査コンサルティングを導入することで、監査時間の短縮化となり、人件費、経費の削減が可能となり、しかも信頼性の面でもレベルアップする。また、国際会計基準の任意適用を視野に入れた業務の見直しが必要となることから、ACLによるデータ分析の必要性や認知度も高まるものと思われる。
流れに沿った時期に両社の業務提携がなされたといえる。