
同社では、今後これまで派遣会社を利用していた企業が社員・アルバイトの直接雇用に乗り出すということは、同社にとって一部脅威ではあるが、アウトソーシングのニーズが確実に高まるという意味では絶好のビジネスチャンスと前向きに捉えている。
Progressive Challenge 2011では、このような環境の変化を踏まえ、総合人材アウトソーシング事業では、従来の人材派遣サービスの提供に加えて、同社の強みを活かしたアウトソーシングサービスの提供の強化を進めるとしている。また、グループでは、これまで総合人材アウトソーシング事業の比率が高く、特に人材派遣サービスに偏重していたことを見直し、システム事業や研修事業などの専門性の高いサービスの事業比率を高めことで、バランスのとれた事業基盤の拡充を図り、長期的に安定した成長を目指すとしている。
具体的な方針として、総合人材アウトソーシング事業では、抵触日問題を抱えるロジスティックス業務と短期派遣が禁止になった場合のキャンペーン業務では、益々アウトソーシングのニーズが高まることから、ロジスティックス業務に関しては長期の一括請負、キャンペーン業務については全国を対象とした一括請負で受注を推進する計画。両業務については、これまで多くの運用実績があり、同社が提唱している「成果報酬型のアウトソーシング」に最適な業務であることから、これまでのオペレーションノウハウを活かして、生産性の向上や結果に拘ったサービスを提供していく方針。
更に、先述しているように、今後人材派遣サービスの一部は、直接雇用となる可能性が高まっている。この直接雇用ニーズに対して、人材紹介による社員・アルバイト紹介だけではなく、直接雇用に必要なプロセスすべてをワンストップでサポートするサービス「ヒューマンリソースフルフィルメント(Human Resource Fulfilment)」(以下HRF)サービスを開始する。
人材派遣業務で蓄積した同社の強みである「募集力および採用力」「コンプライアンス」「バックオフィスのノウハウ」と、「社員研修」「システム開発」などのグループ総合力を結集して、顧客のあらゆる雇用問題を解決するプロフェッショナル集団を目指す。このサービスは、今までの人材派遣サービスに頼っていた企業だけでなく、従来から直接雇用を行っていた企業も対象となることから、非常に大きなマーケットに成長すると見ている。
また、グループの事業基盤の拡充という点では、これまで総合人材アウトソーシング事業の比率が約95%と高くなっていたが、システム事業が加わったことで、約65%まで低下し、グループ全体の事業バランスの改善が進んでいる。
システム事業は、人材派遣事業に次ぐ柱となるほか、システムエンジニア派遣とシステムコンサルティング・システム開発受託のサービスをワンストップで提供する体制を構築できるようになり、人材派遣と連携して、ITエンジニア派遣の拡大を目指す。また、今期飛躍的に伸びたパフォーマンス・コンサルティング事業への投資を継続していく。景気減退による需要低下の懸念があるが、同分野における同社のマーケットシェアはまだ小さく、今後益々成長が見込める。
以上のような緒策を実行することで、2010年度までに@グループ売上高100億円超、A日本bPのビジネスパートナー、B業界bPの給与水準を獲得し生き生きと誇りを持って働く社員を育てる、と3つの目標を掲げている。