■「翻訳プラットフォーム」今秋いよいよ本格的運用開始
翻訳センター<2483>(HC)が、ザラ場で先週末終値比4000円高の109,900円をつけ下落前の株価水準を回復(本日終値107,500円、同1600円高)した。株価も新ゾーン入りしたようだ。
同社は第一次中期経営計画を昨年来の景気減速にあわせ見直し、数値目標の修正を行った。しかし、同計画の4大重点施策の推進で次々と実績を挙げており、今後、実績で上ぶれが期待される。
先に発表した今期10年3月期連結業績見込みは、医薬部門が前期比9.4%、特許部門が0.1%それぞれ伸びると予想した半面、工業、金融の両部門で前期後半の落込み傾向が続くとみて、それぞれ7.8%、1.0%の減少を見込んだ。その結果、上期は減収減益となり、通期は売上高4,600百万円(同2.2%増)、営業・経常利益ともに220百万円で最終利益110百万円の減益を見込んでいるが、配当は、前期同額の1株4,000円を据え置く予定。
■翻訳プラットフォーム構築、戦力を一段と強化
第一次中期経営計画に基づいて推進している4大重点施策の状況は以下の通り。
そのT:戦略ツール「翻訳プラットフォーム」構築、戦略ツールとして開発中の翻訳プラットフォームが第2フェーズの段階を迎え、秋口より本格運用を開始する予定。
この運用開始によって、取引先は、いつでも、品質基準を満たした翻訳を安定的に提供され、量の多少を問わず短納期が実現するので、翻訳先分散が不要となる。また、同社・翻訳者にとっても、翻訳の品質維持向上、作業効率の向上に加え、データベースを共有できることから、翻訳者層の拡大が見込める、など、取引先、同社翻訳者両者のメリットは一段と増大し、同社の戦力アップを加速する。
そのU:高付加価値サービスと集中購買化提案の促進。「高付加価値サービス」では現在、メディカル・ライティングの前期実績が72百万円(前年同期比71%増)と好調、取引先(発注)と同社(受注)窓口をそれぞれ一本化し効率アップを目指す「集中購買化提案」は、医薬分野の前期実績では契約社数18社、同売上高約400百万円となった。この実績は過去三年間の売上成長の年率12.0%と全体の成長を上回っており、同社のブランド力を高めている。今後、特許、工業分野にも同様戦略を展開し業務拡大を図る。
■米国子会社、業容拡大とコスト削減で今期黒字へ
そのV:米国子会社の黒字化。メディア・コンテンツ分野でスタートした同子会社は、本社と同様主力4分野での取引実績も積み上げ、業務を拡大している。人的構成も現地採用者のみの編成にするなど大型コスト削減を実施、今09年12月期は黒字化の予定。
そのW:人員計画。09年3月期で約40名を採用し戦力を強化した。当面は生産性向上へ人事制度改革を中心とした組織編制の見直しに置く。