2011年2月22日
インフォマートは前10年12月期連結業績の決算説明会を開催
■同社グループのシステムを利用する企業は年々増加
食品業界向け企業間電子商取引「FOODS Info Mart」を運営するインフォマート<2492>(東マ)は、2月14日に兜町平和ビルで前10年12月期連結業績の決算説明会を開催した。
同社グループは、BtoBプラットフォームで企業と企業をつないで結び、顧客の日常業務の便利さを提供していることから、同社グループのシステムを利用する企業は年々増加している。
同社の事業は、企業間電子商取引「FOODS Info Mart」を活用するASP商談事業、ASP受発注事業、ASP規格書事業の3事業と、海外ライセンス事業(中国語ASP受発注事業)、クラウドサービス事業(販売促進支援事業)の5つの事業から成り立っている。
ASP商談事業では、買い手は新規商材、売り手は新規顧客を求める場として主に活用されている。ASP受発注事業は、買い手である外食産業等と売り手であるメーカー、卸等の取引の購買業務全体をシステム化し、業務改善、コスト削減を実現するシステムで、日常的に使われている。ASP規格書事業は、食品規格書の作成・管理業務最適化を目的とした食の安全対応に必要なツールを提供する。製造、配送、販売業務で規格書のデータ交換が実現している。海外ライセンス事業は、現在中国で展開されている中国語ASP受発注事業。クラウドサービス事業は、メーカーと卸会社の販売促進情報のやり取りをシステム化し、業務の改善、コスト削減を実現する事業。
■FOODS Info Mart利用企業数は2万2324社(09年比2084社増)
前期のハイライトとなると、売上高は全体で30億4200万円(09年比3.3%増)。その内訳を見ると、ASP商談事業8億3300万円(同22.6%減)、ASP受発注事業18億8100万円(同12.8%増)、ASP規格書事業3億1700万円(同61.7%増)となっている。
ASP商談事業は減収となっているが、主力のASP受発注事業は順調に伸びている。ASP規格書事業は、食の安全対応ツールであることから利用者が急増している。
一方、経常利益は、6億500万円(同16.8%減)と上場後初めての減益となった。減益となった要因は、ASP商談事業に含まれる昨年より開始したASP受注・営業システム(卸会社と飲食店間の受発注業務のシステム化)の販促費、海外ライセンス事業、クラウドサービス事業の立ち上げ費用等投資経費が先行したことによる。
売上高が伸びているように、FOODS Info Mart利用企業数は順調に伸びている。ASP商談事業、ASP受発注事業、ASP規格書事業共に利用者は増加している。唯、ASP商談事業の売り手企業が309社減少し、買い手企業は83社増加したが、ASP商談事業全体では226社減少している。全体の利用企業数は2万2324社(09年比2084社増)。その内、売り手企業1万9664社(同1972社増)、買い手企業2660社(同112社増)。
■ASP受発システムの年間取引高は、外食産業全体取引高の7.8%のシェアを占めるまでに成長
FOODS Info Martの月額顧客単価(四半期推移)は、10年第4四半期で1万2220円(09年同期比48円減)。減少した理由は、売上の主力であるASP受発注の顧客単価が9488円(同87円減)となったことによる。その他のASP商談は1万5421円(同503円高)、ASP規格書は8038円(同923円高)と共に上昇している。
主力のASP受発注事業の買い手企業数・店舗数、売り手企業数の4半期毎の推移は、10年第4四半期現時点で買い手企業数784社(同113社増)、買い手店舗数1万7241店舗(同2657店舗増)、売り手企業数1万7317社(同1984社増)と買い手、売り手共に順調に増えている。よって、ASP受発システムの年間取引高は、10年5620億円(09年比668億円増)となり、外食産業全体取引高の7.8%のシェアを占めるまでに成長している。
今後、全体のどれくらいまで成長するか?との会場からの質問に答えて「ASP受発注の外食レストラン、ASP受注・営業システムの個店共にまだまだ増えます。特に、個店は多いのでこれからです。外食産業全体取引高のシェア10%を超えると急速に普及すると見ています。」(代表取締役社長村上勝照氏)と今後の成長に自信を示した。
■前期よりスタートしたASP受注・営業システムは今期も急成長を見込む
ASP規格書システムについては、10年第4四半期現在の買い手機能は82社(09年同期比12社増)、卸機能89社(同29社増)、メーカー機能3386社(同381社増)と順調に拡大している。
ASP商談システムは、10年第4四半期の売り手企業数は、2032社(同309社減)、買い手企業数2584社(同83社増)、商品カタログ数61万8745件。
ASP商談事業に含まれている、前期よりスタートしたASP受注・営業システム、具体的な業務内容は、卸会社と飲食店間の受発注業務をシステム化した事業である。10年12月現在の受注卸社数、発注店舗数、取引高を見ると、受注卸社数99社、発注店舗数4739店舗、取引高9億800万円となっている。
今年1月の各部門の数値はどれほどになるか?という会場からの問いに答え、「今年1月の各部門の数値は、昨年の11月と同じくらいになると見ています。第1四半期、第2四半期はなめらかな右肩上がりの成長を予想していますが、第3四半期、第4四半期は、しっかり伸びると見ています」(村上社長)と今期も急成長を見込んでいる。
メーカーと卸会社間の販促支援システムをクラウドで行う、クラウドサービス事業のメーカー数、卸会社数は、10年12月現在で、メーカー数34社、卸会社140社となっている。
■今期は、ASP受注・営業システムを独立した事業部門としてセグメント化
前期業績は、新規事業の立ち上げによる先行投資が嵩んだことから、売上高30億4200万円(09年期比3.3%増)、営業利益6億500万円(同16.8%減)、経常利益6億500万円(同16.8%減)、純利益3億5300万円(同13.1%減)と増収減益となった。
しかし、配当については、年間配当6622円(同622円増)と増配を実施する。また、配当政策の基本方針については、基本配当性向50%の基準を連結業績から個別業績に変更している。
今期11年12月期連結業績については、これまでASP商談事業に含まれていたASP受注・営業システムを独立した事業部門としてセグメント化し、FOODS Info Martを活用した事業を、ASP受発注事業、ASP規格書事業、ASP商談事業、ASP受注・営業事業の4事業に分け、海外ライセンス事業、クラウドサービス事業を加え、全体で6事業とする。
今通期連結業績予想は、売上高36億1100万円(前期比18.7%増)、営業利益6億3700万円(同5.4%増)、経常利益6億3000万円(同4.2%増)、純利益3億5500万円(同0.7%増)と増収増益を見込む。
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