2011年12月13日
イメージワンは事業再構築と事業領域拡大で2期ぶりに最高純益を更新
イメージワン<2667>(JQS)の今9月期純利益が、2期ぶりに過去最高を更新する見込みである。前期に計上した特別損失が一巡、医療画像事業と衛星画像事業での新システム、新分野への取り組みが、収益化段階を迎えているためだ。経営理念の「人の健康と国の安心・安全」の実現に向けた事業領域の拡大が、事業構造を再構築、業績を底上げする展開がスピードアップしている。
■医療画像事業はPACSからRISへ高度化
同社の前9月期業績は、売り上げ19億4700万円(前期比12%減)、経常損失6500万円(前々期は900万円の黒字)、純損失7200万円(同400万円の損失)と伸び悩んだ。期初には黒字転換、2期ぶりに過去最高純益更新を見込んだが、画像映像事業のSPOTビジネスの契約損失引当金の計上や付加価値の高い新規事業に取り組んでいる地球環境分野の開発計画がズレ込み、さらに東日本大震災の影響による全般的な業務停滞で販売計画に遅れが生じたことが要因となった。
ただ、このなかでも事業再構築は順調に進み、医療画像事業では、新規商品投入のための営業・開発人員増加によるコスト増はあるものの、大震災の東北地域を除く地域でPACS(医療画像保管・配信・表示システム)の商談が堅調に推移し、衛星画像事業では、レーダー衛星のRADARSAT衛星画像データの安全保障分野での大型案件を下期に受注した。
今9月期業績は、医療画像事業では、PACS事業をさらにRIS(放射線科統合情報システム)及び医療情報統合システム事業に融合化・高度化して販売を拡大し、衛星画像事業では、安全保障分野とともに環境分野にも事業展開、海上監視や農林業、災害対策などの高付加価値事業への取り組みを強める。
このため業績も、売り上げ21億円(前期比7.9%増)、経常利益5000万円、純利益2000万円と黒字転換を予想、純利益は、1期遅れで2010年9月期の過去最高(1500万円)を更新することになる。
■衛星画像事業も「森林」、「地盤」、「水」で好展開
事業再構築は、同社の中期的な大変貌の引き金にもなる。RIS及び医療情報統合システムは、地域の中核病院の情報システムとして、地域医療などの進展に貢献するが、行く行くは、国が進めているEHR(Electoronic Health Record・電子健康記録)の「1患者・1カルテ」実現の有力なシステム、ツールとなる。衛星画像事業も、「森林」、「地盤」、「水」をキーワードに事業領域を拡大していく。事業再構築とともに同社業績の上げ潮推移が予想されるところで、PBR0.8倍の評価にとどまる同社の株価も、なお底上げが見えてくる。
>>イメージ ワンのMedia−IR企業情報