
連結売上高295億5900万円(前年同期比6.3%増)、経常利益5億1100万円(同13.6%増)、純利益2億8100万円(同33.6%減)であった。最終利益が大幅減益であったのは、前期の本社の売却益が無くなった影響である。増収、2ケタ経常増益であることから、業績は好調といえる。
同社は、プラスチックの専門商社で、国内の大手家電、OA機器メーカー等と取引がある。2006年に東洋インキと共同でベトナムに設立したコンパウンド拠点との連携強化により、香港法人の売上が急拡大している。
売上高拡大と共に、高付加価値商材を販売することで、高利益率を保っている。最も高付加価値である大手OA機器、家電・電子メーカー向けのエンジニリング系樹脂は売上高で前年同期比9.7%アップし、売上高構成比率32.3%とトップを占めている。次にプリンター、OA機器向けが好調なスチレン系樹脂は売上高3.4%アップで構成比率24.0%。メディカル関連等に使用されるオレフィン系樹脂は18.5%増で構成比率9.7%。以下は売上構成比率は少ない。塩化ビニール樹脂3.7%増で構成比率4.8%、その他の樹脂1.7%減で、構成比率5.9%、合成樹脂製品7.2%増、構成比率は19.7%、合成樹脂関連機械・シート14.6%減で、構成比率3.7%。
営業利益面では、増収効果により、1億700万円の粗利が増加したが、販売先からの価格協力要請、利益率の低いオレフィン系の売上比率が拡大した影響で粗利益率が0.3ポイント低下した。しかし与信管理を徹底したことで、貸倒引当金繰入額がゼロとなり、販売管理費が3700万円減少したことで、営業利益は4400万円増の5億4700万円となった。
財務面を見ると債権管理を強化したことで、売上債権は177億7900万円(前年同期比1億4600万円減)となった。また、保有投資有価証券の資産価値が低下し、投資その他の資産の額は16億9100万円(同1億700万円減)であったことから、資産合計は231億4800万円(同2億5400万円減)となっている。一方で、純資産が56億300万円(同9900万円増)となったことで、自己資本比率は24.1%と0.7ポイント改善し、目標の25.0%超に一歩近づき、財務体質の健全化が進んでいる。
同社は、顧客のアジア進出と共に、供給体制を整えるために、天津、上海、香港、シンガポールに現地法人を、大連とベトナムにコンパウンド工場を、バンコクとマニラに駐在員事務所をそれぞれ設けている。
同社は提案営業力を核とした商社機能に徹底している。まず、提案営業ができる知識と情報を持つと共に、顧客満足度を高める商材の品質管理を徹底している。更に、仕入から販売に至るまでの商材の加工、在庫管理・物流に万全の体制を整えている。
仕入に関しては拡販方法等に関する情報の提供を行うことで、仕入先との信頼関係を密接にしている。また、多数の優良顧客を持っていることから原料メーカーも同社と組むことのメリットを知っているため、複数の安定仕入先の確保ができている。
加工の面では、海外においてはハノイと大連に工場を建設し、いつでも顧客の要求に応える体制を整えていると共に、徹底した品質管理を実施し、顧客満足を高めるように努めている。
在庫管理と物流については、発注先ニーズを詳細に把握することを前提とし、顧客のニーズに対応できるよう在庫管理を行っている。例えば、少ロットで多品種であってもいつでも即納できる体制を確立している。しかも在庫は必要最小限にとどめている。
販売については、技術の目利き、専門知識、マーケティング力、仲介能力を持つ営業員を育成していることから、高付加価値商材についての専門知識をもとに提案営業を行い、顧客との信頼関係を構築する。今後は、新規開拓の年間売上目標として、海外で30億円、国内で6億円を掲げている。
今通期連結業績予想は、売上高565億円(前期比0.6%減)、経常利益9億8000万円(同3.9%増)、純利益5億7000万円(同19.0%減)を見込む。
国内プラスチック原材料の上半期の売上高を見ると、05年上半期1兆2382億円、06年上半期1兆3702億円、07年上半期1兆4555億円、08年上半期1兆5837億円と年々売上高は拡大している。
一方で同社は、中国市場での販路拡大および人民元取引の増大に対応すべく、「深せん」にまずは物流サービスセンターの設立を目論むなど、事業の拡大にも積極的である。
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