2009年12月07日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

プラマテルズはリーマンショックの影響色濃く残るも第2四半期以降は回復傾向


■第2四半期以降は回復傾向

プラマテルズのHP 11月30日に兜町平和ビル3階のアナリスト協会で、合成樹脂専門商社のプラマテルズ<2714>(JQ)の10年3月期第2四半期決算説明会が行われた。代表取締役社長菅原正弘氏は挨拶の後、リーマンショックの影響から大幅に需要が落ち込んだ決算について、まず、第2四半期決算の概略に続き、市場動向、今後の基本方針、今期の通期業績予想の順で説明を始めた。

 今10年3月期第2四半期連結業績は、売上高209億100万円(前年同期比29.3%減)、営業利益2億2200万円(同59.4%減)、経常利益1億8700万円(同63.2%減)、純利益1億2500万円(同55.6%減)と減収減益であった。
 売上高は、まだリーマンショックの影響が色濃く残り、主需要先の在庫調整等により、顧客のほぼ全業種で減少した。しかも、前期は好調であった海外でも第1四半期に大きく落ち込んだ。ただ第2四半期以降は回復傾向にある。
 主な商材別の売上高と構成比を見ると、高付加価値商材であるエンジニアリング系樹脂の売上高は29.8%減、構成比32.0%、高機能商材であるスチレン系樹脂の売上高は31.4%減、構成比23.3%と大幅減収。一方、前期は増収であったオレフィン系樹脂も売上高25.7%減、構成比10.2%と大幅減収。その他の合成樹脂も2ケタ減収となっていて、ほとんどの顧客の生産が縮小していることが窺える。
 単体での業界別販売比率は、OA・事務機器34%、家電・電子16%、自動車6%、医療器8%、建材9%、容器・化粧品3%、玩具・その他24%と前期末と比較するとほとんど変わらないが、全ての業界で減収となっている。
 しかし、第2四半期の売上高は、前年同期(08年7月から9月)の売上と比較すると約80%まで戻ってきている。最も落ち込んだのは、前期の第4四半期(09年1月から3月)であり、中でも自動車が最もひどく約30%、次いでOA・事務機器、家電・電子は共に60%弱、建材60%強、容器・化粧品約80%、医療約90%、玩具・その他約95%の順であった。しかし、第2四半期になって、自動車は70%まで戻ってきている。

■中国で積極的投資を進め、海外市場での売上拡大を図る

 合成樹脂の原料となるナフサの価格により、同社の売上は左右されやすいため、ナフサ価格の推移を見ると、最もナフサの価格が上昇したのが昨年の8月で、1kl当たり約9万円であったが、その後急落し今年の1月には約2万円となっている。しかし、本年9月現在では4万円まで戻っているため、同社の売上高も徐々に回復してくるものと予想される。
 同社の経営戦略は、アジア進出を進める日系企業、現地下請法人への供給体制を充実し、合成樹脂の素材専門商社として、グローバル・プレーヤーとしての橋頭堡を築くことを目標としている。そのためには、日本市場だけではなく、海外市場の開拓が必要であるが、中でも中国市場が重要。これまで、天津、上海、香港、シンガポールに現地法人を設立する一方で、コンパウンド工場を大連、ベトナムに建設し、販路を広げるべく努力してきた。しかし、大連のコンパウンド工場を譲渡し、現地進出日系企業向けに合成樹脂原料・製品等の販売を行う海外子会社を大連に設立した。また、更に取引を拡大するには、人民元で販売する販社が必要なことから、8号令販社の認可を中国政府から取得するため、その前段階として、深せん業務サービスセンターを1月に設立した。このサービス会社を通じ、香港法人の営業支援業務を行い、日系企業、現地法人に対しデリバリーサービス等の充実を図りつつ体制を整備の上、将来的には8号令販社への形態変更により、人民元取引を開始して、商いのパイを広げる計画。既に業績回復策として独自戦略を推進している。
 主な海外拠点の今期の売上高予想は、香港49億500万円(前期比38%増)、上海19億3000万円(同8%減)、シンガポール6億6000万円(同24%減)、大連3億円(今期より)、天津1億3800万円(同14%減)となっている。また、全売上高に占める海外売上高の比率は、07年12.4%、08年14.8%、09年16.0%と年々高まっている。今後は20.0%超まで高めていきたいとの考え。
 今期連結業績予想は、売上高457億円(前期比13.0%減)、営業利益5億3000万円(同40.7%減)、経常利益4億7500万円(同41.3%減)、純利益2億9500万円(同39.8%減)と減収大幅減益を見込んでいる。配当は、中間6円(実施済み)、期末5円として、年間11円を予定している。
 未曽有の不況の影響で減収減益となってはいるが、堅実な事業運営を行っているため、健全な財務内容。今期は大幅減益を見込むが、将来へ向けての布石として、中国での事業展開等に対する積極的投資を進め、海外市場での売上拡大を図る。