2010年02月24日
三光マーケティングフーズ:平林実社長「居酒屋業界の現況と今後」を語る
■いち早く低価格路線の「金の蔵Jr.」の多店舗出店を開始
「東方見聞録」、「月の雫」などを多店舗展開する三光マーケティングフーズ<2762>(東2)は、今10年6月期第2四半期決算説明会をサンケイプラザホール(東京・大手町)で開催した。
同社は居酒屋業界で、いち早く低価格路線の「全品270円均一居酒屋 金の蔵Jr.」の多店舗出店を開始し、居酒屋業界に旋風を巻き起こしている。
同社は、居酒屋業態での低価格ブランドの早期浸透をはかるため、引き続き既存店舗の低価格均一居酒屋への業態転換を積極的に推進し、10月に17店舗、11月に10店舗、12月に1店舗、合計28店舗を業態転換している。一方、新規出店は11店舗、新たに開発したうどん事業では4店舗を出店したことにより、当第2四半期は計15店舗と、第2四半期会計期間末日における総店舗数は、直営店143店舗、フランチャイズ店8店舗と急速に業態転換と新規出店を進めた。
その結果、今10年6月期第2四半期業績は、売上高129億7700万円(前年同期比1.3%減)、営業利益12億5100万円(同0.4%減)、経常利益11億7400万円(同12.1%減)、純利益6億200万円(同8.6%減)と減収減益となっているが、28店舗の業態転換、新規出店15店舗の費用を考慮すると順調といえる。
■この時代をピンチと捉えずにチャンスと捉える
決算説明会に出席した同社代表取締役社長平林実氏は、「外食業界はこの半年厳しい環境といえます。マクドナルドも好調といわれながら、400店舗の撤退を発表しています。そのような環境の中で、我々の居酒屋業界も大手をはじめ迷走していますが、私はこの時代をピンチではなくチャンスと捉えています。
既にこの半年間で低価格均一居酒屋を70店舗以上出店しています。まだ、明確な結果を出しているとはいえませんが、これからは低価格が主流となると見ています。
というのも、大衆居酒屋はサラリーマンの友といいながら、生ビールを400円から500円で提供している。一方、酒店、スーパーマーケットでは、100円から200円で買えるのでは身近なものとは言えません。つまり、お客様にとっては居酒屋通いも贅沢ということになり、サラリーマンの居酒屋離れがジワジワと進んでいるのが実情です。
また、もともと居酒屋は慢性的なオーバーストア状態で、駅前のビルはほとんど居酒屋が入っています。
このような競争環境であれば、本来もっとお客様にとって身近な存在になるべきと考え、低価格均一業態を積極的に展開します」と、サラリーマンの居酒屋離れの現状と業界の厳しい環境を説明した。
■無駄な労力を無くすよう人件費率の低減に努める
更に、「低価格居酒屋を定着させるために、次は何を行うか考えると、無駄な労力を無くすことです。居酒屋は正味3時間から4時間の商売です。5時からオープンするのであれば、4時から店に入ればよいのです。仕込みといっても昼過ぎから仕事をする必要はなく、営業中もピークまでの時間帯は1人か2人で間に合うはずです。
当社の人件費率はおよそ25%に対して、業界の平均は30%です。しかし、無駄な労力を無くすよう更なる効率化を推し進めてまいります。
私は、今までの習慣を打破して、工業化し、価格破壊を実践することで、ユニクロやニトリのような、本当の意味で社会の役に立つ企業になっていくのではないかと思っています。
現在、駅前の物件情報を多くいただいております。先んじて挑戦してまいります」と今後の方針と思いを語った。
今10年6月期業績予想は、売上高260億円(前期比3.4%増)、営業利益24億5000万円(同2.5%増)、経常利益24億5000万円(同1.1%増)、純利益10億4000万円(同3.0%減)を見込む。