2014年5月19日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

エフティコミュ:今期15年3月期業績予想と今期の取組について説明


■今期は予想数値の達成のため、既存事業の強化と新規事業の促進を計画

 エフティコミュニケーションズ<2763>(JQS)は16日、今期15年3月期業績予想と今期の取組についての説明会を行った。

 今期業績予想は、売上高380億円(前期比6.0%増)、営業利益48億円(同27.6%増)、経常利益50億円(同21.6%増)、純利益28億円(同5.5%増)と増収増益を見込む。

 今期は予想数値の達成のため、既存事業の強化と新規事業の促進を計画している。戦略としては、環境商材、M&Aによる新規事業、既存事業の強化、海外戦略、プラットフォーム事業の5項目を挙げている。

 環境商材の拡販については、LED照明の販売を伸ばすために、営業人員の拡充や定額保守サービス等、付帯商材の販売を強化する。更に、自然冷媒ガスの販売を本格化する。まず、法人事業では東日本、西日本にそれぞれ拡販推進部門を設置し、地域密着型の販売に注力する。売上目標としては、LED照明80億円、自然冷媒ガス、空調機器20億円を掲げている。

 自然冷媒ガスとは、自然界に存在する物質、二酸化炭素、アンモニア、参加水素等で作られた冷媒。販売する冷媒ガスは、ISО817国際標準化機構で定められた炭化水素冷媒R441A、R443Aである。R441Aはカーエアコン、自動販売機などに対応し、R443Aは空調機、冷凍冷蔵庫等に対応している。この様な自然冷媒の普及への取組は、オゾン層保護、地球温暖化防止につながるため、今後普及すると予想される。自然冷媒ガスのメリットとしては、電力コストの約50%を空調機が占めているが、自然冷媒ガスに交換することにより、空調機の消費電力を15%から40%削減することが可能となる。また、空調設備にかかる負担が軽減するため、稼働音も静かで、設備の寿命も延びる。更に、使用中の空調機のまま、フロンを新自然冷媒ガスにシンプルに入れ替えるだけで、新たな設備を取り付ける必要はない。今期の本格的な販売強化で売上の拡大が期待できる。

 M&A・事業提携戦略では、環境関連事業者及びストックビジネス、国内の同業者、海外の販売会社などと同社の既存事業とのシナジーが図ることが出来て、魅力的な新規商材を持っている企業と明確なターゲット戦略による積極的なM&Aに取組んでいく。

 プラットフォーム事業戦略は、決済プラットフォームノ「ペイコレsmartshot」というサービスを提供する。市販のスマートフォンやタブレット端末で、手軽にクレジットカード決済のインフラが構築でき、専用のアプリケーションのインストールとコンパクトなカードリーダーの接続だけで低コストな導入が可能となる。「ペイコレsmartshot」は業界初の継続課金機能を搭載したスマホ決済サービス。最初の訪問で継続課金しておけば、毎月自動的にカード引き落としが可能となる。

 更にCtoCプラットフォーム事業のサービスも提供する。車を買いたい人と車を売りたい人をマッチングするサービスである「mieruCAR(ミエルカ)」を7月より開始する。「mieruCAR」は、誰でも中古車売買市場へ踏み出すことが出来るように、コンシェルジェの配備や、「mieruCAR」の配信取引サービスの提供で取引の安全性を高めた、個人間取引特化型のwebプラットフォームである。「mieruCAR」独自の安心取引で、個人間取引による、名義変更、代金支払いまで一括してサポートする。

 既存事業の強化としては、新たに設置したCRM推進部、CF部門の専門部隊によるCRM(顧客情報管理)を活用したクロスセル・アップセル等、既存顧客の囲い込みを強化する。また、今期はコンシューマ事業にもCRMを導入していく。法人顧客のセキュリティ強化のニーズは高まっており、同社顧客のさらなる顧客満足度を追求し、セキュリティ商材、及び環境関連商材の拡販に注力する。

 事業の拡大策としては、法人事業に専門の冷媒推進室を設置し、地域に即した販売手法の早期確立を実施すると共に、自然冷媒ガスを新主力商材として年間を通して販売力を強化する。また、未出店府県への出店も検討する。特に西日本エリアを強化していく方針。更に、大阪コールセンターの開設により、SOHO向けの光ファイバー回線サービスの販売を強化する一方、環境商材、ウォータサーバー等といった二次商材を同時に販売する。この様に様々な仕掛けにより、事業拡大を加速する。

 海外戦略については、タイのバンコクに、「FT Communications(Thailand)」を設立する。LED照明、自然冷媒ガスを中心に事業を開始し、その後オフィス向けトータルソリューションへと展開する。また、ASEANの他国展開を見据えた調査活動も行う。タイ王国は日本の物価の3分の1といわれていて、賃貸ビルオーナーが電力の単価を上乗せして、テナントに請求している。電力の使用料金が日本と同水準以上の企業が3割以上を占めている。LED商品に関しては、日系およびローカルの照明機器メーカーが新築のオフィスビル、大型商業施設、政府系施設、工業団地に販売しているだけで、新築以外の中古オフィスは、全く手つかずの状況である。また、タイのGDPはASEAN第3位であり、購買力の高い、強固なローカルマーケットが存在している。そのうえ、タイの日系企業に対する有望なマーケットが存在することからタイ王国にLED照明、自然冷媒ガスを扱う販売会社を2014年6月中旬ころに設立する。

 今期は、LED照明という核商材に続く、自然冷媒ガスの本格的な販売が始まるうえに、国内、海外ともに営業エリアが拡大することから、売上の拡大が期待できる。

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