2011年1月26日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

パシフィックネットは第2四半期決算説明会を同社のスタジオで開催


■陳腐化商品の比率が増加したことにより、販売に苦戦


パシフィックネット 中古パソコン・携帯電話の買取販売を行うパシフィックネット<3021>(東マ)は、1月20日に今11年5月期第2四半期決算説明会を同社のスタジオ「AKIBA3021」で開催した。
 第2四半期連結業績は、売上高17億900万円、営業利益△6100万円、経常利益△5600万円、純利益△5500万円。今期より初めての連結決算となる。
 同社の業績と関係の深いパソコンの市場規模の推移は、2000年度1436万台、2005年度1463万2000台、2010年度1540万台と緩やかに伸びている。その内の中古パソコンの台数は、2000年度37万台、2005年度107万8000台、2010年度165万台と全体に占める中古パソコンの割合は拡大しているが、まだ1割強といったところ。
 パソコンのリユース市場の拡大が緩やかな中で、第2四半期間は、陳腐化商品の比率が増加したことにより、販売に苦戦した。また、販売単価の下落により利益率が低下し、営業利益以下が赤字となった。販売強化策としては、大阪日本橋店3号店を6月に出店した。更に、マイクロソフトOfficeのプリインストール販売を1月より開始。一方、レンタル事業は営業を強化したことにより好調で、一般企業向けのスーパーリースの売上が拡大している。

■レンタル事業は順調であったが、引取回収・販売事業で減益となり、販管費増で赤字

 事業部毎の4半期別売上高の推移は、レンタル事業の第1四半期1億5000万円(前年同期比24.4%増)、第2四半期1億5300万円(同18.6%増)、引取回収・販売事業の第1四半期6億9700万円(同0.1%増)、第2四半期7億700万円(同3.2%増)とレンタル事業の売上が2ケタ増収であるのに比較して引取回収・販売事業の伸び率は低い。
 売上総利益は、レンタル事業の第1四半期5500万円(同24.9%増)、第2四半期5500万円(同8.0%増)、引取回収・販売事業の第1四半期3億5000万円(同14.7%減)、第2四半期3億4000万円(同3.5%減)とレンタル事業は増益だが、引取回収・販売事業は減益となっている。減益となった要因は、古い機器が増加傾向にあり、販売価格が低下したことによる。
 一方、販売費および一般管理費は、8億6300万円(同7000万円増)。その内訳は、広告宣伝費1600万円(同100万円増)、役員報酬4000万円(同400万円減)、給与及び手当ては2億8700万円(同1700万円増)、地代家賃は1億7500万円(同3000万円増)、旅費及び交通費2200万円(同200万円増)、減価償却費3600万円(同500万円増)、その他2億8600万円(同1900万円増)。
 第2四半期業績はレンタル事業が順調であったものの、主力の引取回収・販売事業で旧機種の入荷増加により利益率が低下したため減益となり、更に販管費が増加したことで、営業利益以下が赤字となった。

■香港で合弁会社を設立、華僑のルートを使って販売

 今通期業績予想については、売上高37億8100万円、営業利益1億5700万円、経常利益1億6000万円、純利益6400万円と第2四半期の下方修正にもかかわらず、当初予想通りとしている。その理由に関して、代表取締役社長上田満弘氏は、「下半期には企業のIT投資が見込めるうえに、4月の地方選挙により、レンタル事業の売上拡大が予想されます」と説明した。
 その後、同日発表された永輝商事と香港で合弁会社を設立することについて「同社と永輝商事は過去12年間の取引があり、最盛期には月間1500万円の商材を販売していた実績があります。また、永輝商事の社長である方永義氏は華僑であることから華僑のルートを使った販売が可能となります」と語り始めた。
 「海外で売上を伸ばすには信頼の置ける華僑のパートナーが必要です。方氏とは長年の付き合いがあり、本格的に華僑ルートを活用できます。主な事業内容は、不要となったソーラーパネル、シリコンスクラップ、建設機械・設備装置などを香港の合弁会社に輸出し、それらを再生したうえでアジア各国に販売します。資本金は2億400万円と大きいですが、再生する企業を傘下にするために使います。ゆくゆくは香港での上場も視野に入れています」と今後の事業について語った。合弁会社の商号はパシフィック エコロジー、代表者は方永義氏、副社長は上田満弘氏が就任する。出資比率は、永輝商事51%、パシフィックネット49%。設立は3月を予定している。
 今期の業績への影響については、現時点では算定中であるが、今後具体的に明らかになり次第、公表するとしている。

■中古携帯事業は、順調で、当初販売台数を1万5000台から3万台へ

 また、昨年8月2日に光通信と合弁で、中古携帯電話のビジネスを展開するために設立したアールモバイルの現況について語った。
 「まだ売上はたいしたことはありませんが、下期は単月黒字になると見ています。また、当初販売台数を1万5000台としていましたが、思いのほか順調で、5月までに3万台まで伸びると思っています。データ消去だけでなく、液晶ガラス、電源等の修理も考えています。この事業はかなり伸びると手ごたえを感じています」と携帯事業に自信を示した。
 アールモバイルの月毎の買取台数は、9月1765台、10月1726台、11月1929台、販売台数は9月1419台、10月615台、11月1216台で、取扱台数(買取台数と販売台数を合わせた台数)は9月〜11月までで8670台となっている。12月には販売・買取合計4000台となり、前月比約30%増となっている。光通信の約2000店舗を通じて買取回収を行うことから、事業拡大が予想される。今後は、スマートフォンの取扱い構成を20%に増やすことで、収益力を向上させ早期黒字化を目指としている。
 リユースのパソコンの仕入れが当初予定より少なく、そのうえ陳腐化商品の比率が多くなっていることから、第2四半期業績は前期を下回ったが、リース事業は好調であり、アールモバイルの中古携帯事業も当初予想の1万5000台から3万台を見込むほど順調に推移している。更に、新事業として、ソーラーパネル、シリコンスクラップのリユース事業を香港で3月より開始することから、今後の事業拡大が予想される。

>>パシフィックネットのMedia−IR企業情報