
食の安全・安心を守ることが同社のテーマである。幼い子供を持つ主婦が主要顧客である。普通の野菜は、生産されるまで約70回の農薬が撒かれるが、同社の野菜は3回〜4回しか農薬は撒かれない、というのは同社が販売する農産物はRADIX基準に従って生産されているため、基準を超えた農産物は販売できないことになっている。したがって、健康を守る野菜、食品を提供する企業であることから人気があり、会員数は年々増加していて、業績も好調に推移している。
9日の上場日に、09年2月期の第2四半期業績が発表されているが、売上高112億2100万円(前年同期比9.5%増)、経常利益3億3900万円(同63.0%増)、純利益1億5500万円(同180.2%増)と増収大幅増益を確保している。
同社の売上高の45.3%を占める農産品は、農家を管理・運営する生産者グループ(農業法人、農業組合、任意団体等)と契約を結び、栽培農家から直接仕入れている。現在の生産者グループは全国に152グループある。また、畜産品、水産品、加工食品、日用品等も製造委託・共同開発している。販売先は主に会員向けであるが、その他に日本レストランシステム潟Oループ、百貨店・スーパーといった一般企業、インターネット会員PICDDELI会員にも販売している。
会員制戸別宅配を行っているが、これまでの会員数の推移を見ると、05年2月期6万8115名、06年7万6103名、07年8万2495名、08年9万396名、08年8月期末9万5061名と順調に増えている。今期末は10万人突破を見込んでいる。
財務状況は、自己資本比率32.3%と前期末より2.5ポイント改善し、健全化が進んでいる。キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フロー4億6400万円、投資キャッシュ・フロー△1億7600万円、財務キャッシュ・フロー△2億1600万円と全て営業キャッシュ・フローの範囲内で収まっていることから、無理なく事業を拡大しているといえる。第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末より7200万円増加して11億3400万円。
通期業績予想は、売上高236億5900万円(前期比11.1%増)、経常利益7億3500万円(同15.2%増)、純利益3億4100万円(同30.9%増)と2ケタ増収、大幅増益を見込んでいる。
日本の経済は大きく変わってきている。これまでの牽引役であった、自動車、家電、不動産関連企業の売上げが大きく落ち込み、上場企業でも今年1年間で33社が倒産している。外需が見込めないことから、内需に目が向いている。農業関連もそのひとつである。安全な野菜、果物を戸別宅配し、信頼を勝ち得ている同社に注目が集まるのは自然の流れ。