2010年04月26日
三栄建築設計は23区内の4000万円前後の3階建て住宅は、同社の独壇場
■今10年8月期第2四半期の業績は減収ながら大幅増益
戸建住宅の三栄建築設計<3228>(名セ)は、21日に鉄鋼会館で今10年8月期第2四半期決算説明会を行なった。8日に上方修正を発表しているように、業績は順調そのものであることから、出来高を伴い株価の見直しも始まっていて、証券界での認知度も高くなっている。
今10年8月期第2四半期の業績は、売上高120億1000万円(前年同期比3.7%減)、営業利益20億2500万円(同403.2%増)、経常利益19億1700万円(同638.8%増)、純利益10億6200万円(同837.2%増)と減収ながら大幅増益となった。減収の要因は、請負事業を開始したため、1戸当りの販売価格に土地の値段が含まれないことの影響。
決算説明会では、まず代表取締役社長小池信三氏が、同社の特長をスライドをまじえて詳しく説明した。
同社は、東京都23区内を中心に狭小土地に木造3階建てを建てる企画力、設計力、施工力、マーケティング力に優れていて、土地と住宅を併せ4000万円前後の価格帯で提供できることが強み。業界で同社の右に出る企業は皆無。
これまで17年間の累計で3904棟を建ててきているが、同社の売りであるオンリーワンの家による1棟として同じ建物はない。同社は、土地を工夫することで、その土地にあった建物をデザインし、設計し施工する、自社による体制がこのようにあるのでリーズナブルな価格での提供が可能となっている。1棟1棟違えばこそ作り手の社員に経験が蓄積され引出が増えて行くようだ。このようなことが同業他社ではできない技術力を持つようになっている。現在、23区内の4000万円前後の3階建て住宅は、同社の独壇場といえる。
例えば、土地50平方メートル、建物90平方メートルの3階建ての場合、業者の請負価格は1300万円であるのに、同社は239万円安い1061万円で請負う。価格競争力も業界随一といえる。
その結果、同業他社のなかには、自社で受注した仕事を同社に発注するようなところも出てきていて、住宅の請負事業も開始することになった。昨年3月から今年3月までの1年間での実績件数は358件で、ほぼ1日に1件受注したことになる。住宅営業部は10名で構成されているが、1名で年間約36件受注した計算となる。大手ハウスメーカーでも3ヶ月に1件契約出来れば良い方であり、驚異的な数字といえる。
■請負事業は、毎日1件のペースで完成し、日々入金が見込めることから資金面でも余裕
分譲事業も好調に推移しているうえに、請負事業も順調である。しかも、請負事業は、土地の仕入れのための資金を必要としないうえに、毎日1件のペースで完成し、日々入金が見込めることになった。そのため、分譲事業に必要な土地仕入れの資金にも余裕が出てくるなど、請負事業を開始したことで、事業基盤が一層強固になってきている。
今期8月期通期業績予想は、売上高304億8100万円(前期比4.7%増)、営業利益42億8900万円(同93.2%増)、経常利益40億4700万円(同103.2%増)、純利益22億2800万円(同113.7%増)と通期では大幅増収増益を見込んでいる。
第2四半期の決算発表後、株価は急騰しているが、22日の株価は2300円であり、今期予想PERは4.88倍。
同業の東栄住宅<8875>(東1)の今期予想PERは6.47倍、飯田産業<8880>(東1)の今期予想PERは10.23倍に比較すると同社の株価は割安といえる。