2011年2月14日
アーバネットコーポレーション:株価チャートはゴールデンクロスを形成
【今11年6月期第2四半期決算の説明会開催】
■金融機関からの融資が再開し、前期は増収大幅増益で黒字転換を果たす
投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売を主力としたアーバネットコーポレーション<3242>(JQS)は、10日に今11年6月期第2四半期決算の説明会を兜町平和ビルで開催した。
9日に第2四半期決算は発表されているが、下半期に物件の販売が集中しているため、第2四半期売上高は前年同期比85.2%減の11億1500万円となり、営業利益△2億4900万円、経常利益△3億400万円、純利益△3億800万円となっている。
同社は08年9月15日に発生したリーマンショックの影響を受け、09年6月期にリスタート計画として、新規開発用土地の購入の停止と着工前保有不動産の着工延期と着工済全物件の棚卸評価を見直すと共に、全物件の売却を実行したことで、09年6月期の業績は、増収ながら赤字となった。
しかし、早期に保有物件の販売を実施したことで、10年6月期は、第2四半期までに金融機関へ46億8400万円返済するなど、有利子負債の削減に努めた結果、1月にはメイン銀行の「りそな銀行」から新規開発用の土地代と着手金の新規融資を獲得した。3月には東日本銀行の融資が決定。金融機関からの融資が再開したことで、前期は増収大幅増益で黒字転換を果たしている。
■今6月期通期業績予想は減収ながら大幅増益を見込む
今下半期に販売を予定している自社開発物件を挙げると、投資用ワンルームマンション「アジールコート白金高輪」(36戸)、分譲用コンパクトマンション「アジールコフレ三軒茶屋」(18戸)、「アジールコフレ渋谷神泉」(17戸)、分譲用ファミリーマンション「グランアジール大倉山」(46戸)となる。既に、三軒茶屋の3戸、渋谷神泉7戸を除き全て販売契約済み。この他に目黒の土地販売、菊川の共同事業による土地の地位譲渡、買取再販物件であるクリオ柏(2戸)、中古マンション(2戸)の販売が予定されている。
その結果、今6月期通期業績予想は、売上高60億円(前期比43.4%減)、営業利益3億3000万円(同56.7%増)、経常利益1億5000万円(同51.7%増)、純利益1億4500万円(同48.6%増)と減収ながら大幅増益を見込んでいる。
金融機関からの融資については、東日本銀行に続き、「ダイヤモンドアセットファイナンス」「八千代銀行」「オリックス信託銀行」そしてメガバンクである「みずほ銀行」の1社3行より新規開発融資が行われている。
■今期の総販売戸数144戸に対して来期は250戸程度を計画
来期計上予定物件には、代々木PJ(48戸)、両国PJ(41戸)、馬込PJ(61戸)、方南町PJ(31戸)の投資用ワンルームマンション4物件があり、既に開発用地を購入し、全て販売先を確定している。「両国PJ」は着工済みであり、他の3物件は着工に向けて準備を進めている。この他に投資用ワンルームマンション南馬込PJ(49戸)、ファミリーマンション大島PJ(40戸前後)の融資を依頼中。更に共同開発事業の高輪PJ(6戸)がある。
今期の総販売戸数144戸に対して来期は250戸程度を計画している。同社の手掛ける物件は、デザイン・実用性に優れていることから人気が高く、販売先を探すのに苦労はしていない。そのため、金融機関の融資もつきやすく、開発用地の取得も順調。
■株価チャートはゴールデンクロスを形成
リーマンショックの影響は今期までであり、来期からは販売戸数がリーマン以前に近づいてきたことから大幅増収増益が期待できる。
9日に第2四半期の業績を発表したが、大幅減収減益であったにもかかわらず、前日比110円安の2万7990円と大幅な下げとはならなかった。むしろ出来高は200株と膨らんでいる。
チャートを見ると13週線が26週線を下から突きぬけるゴールデンクロスを形成している。先高感が予想される。
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