
不景気で、居酒屋業界も不振といわれているが、厳しい環境でありながらも業績を伸ばし、今期も最高益更新を見込んでいるのが同社である。
強みは、何といっても仕入れ力にある。新潟・島根の漁港・魚市場のなかの12市場で買参権を取得していることから、年間を通じて新鮮で、どこよりも安価な魚介類を仕入れることが可能。したがって、同社が運営する各店舗は新鮮でしかも安価であることから人気があり、売上を伸ばしている。
10月9日に第2四半期の決算短信を発表しているが、売上高41億9500万円(前年同期比28.2%増)、経常利益2億8500万円(同2.9%増)、純利益3億1300万円(同176.6%増)と増収大幅最終増益を確保している。
最終利益が大幅に伸びているのは、八吉秋葉原ワシントンホテル店の撤退に関して、賃貸人から受けた損害賠償金を特別利益として3億5000万円を計上した影響であるが、その点を除いても順調である。
キャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フロー7億2100万円、投資キャッシュ・フロー△6億7400万円、財務キャッシュ・フロー△9100万円である。M&Aを行い事業規模の拡大を実践しているにもかかわらず、設備投資は営業キャッシュ・フローの範囲内で行い、残りを返済にまわすという無理のない事業を運営している。現金同等物は10億7500万円と潤沢であり、自己資本比率も55.6%と健全。
これまでの売上高を見ると、03年8月期14億3500万円、04年20億1300万円、05年27億4400万円、06年2月期17億2900万円(6ヶ月決算)、07年49億9100万円、08年69億9000万円、09年(予)87億4000万円と同社の業績が好調に推移していることが分かる。
今通期連結業績予想は、売上高87億4000万円(前期比25.0%増)、経常利益7億9500万円(同27.2%増)、純利益5億6700万円(同56.7%増)、1株当り純利益6637円89銭を見込む。
29日発表の数字次第では、少し早いがお年玉銘柄になるかもしれない。
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