2010年06月10日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

ソフトクリエイトの今期は増収増益、純利益は19.1%増を見込む


■ECソリューション事業が最も伸びる

ソフトクリエイトホームページ EC(イーコマース)ソリューション事業のソフトクリエイト<3371>(東2)の今11年3月期連結業績予想は、売上高78億円(前期比1.6%増)、営業利益9億9500万円(同11.2%増)、経常利益10億円(同10.8%増)、純利益5億2000万円(同19.1%増)と増収増益を見込んでいる。
 ECの市場規模は、経済産業省の調査結果によると08年度のBtoC(企業対消費者)の電子商取引市場規模は、前年度比13.9%増の6兆890億円。ECの拡大浸透を示す指標であるEC化率は前年度比0.27ポイントアップの1.79%と堅調な伸びを示している。
 今後、BtoCの電子商取引市場規模は2014年までに12兆円まで伸びると予想していることからEC市場は急成長分野といえる。
 そのような環境の中で、今期の同社の事業毎売上予想は、ECソリューション事業32億円(前期比13.8%増)、システムインテグレーション事業24億円(同4.4%増)、物販事業22億円(同9.7%減)とやはりECソリューション事業が最も伸びると見ている。

■データセンターの売上高は年々拡大

 今期一番の増収を見込んでいるECソリューション事業の売上高推移をみると、06年3月期12億600万円、07年3月期18億2700万円(前年度比51.4%増)、08年3月期23億円(同25.8%増)、09年3月期23億1700万円(同0.7%増)、10年3月期28億1000万円(同21.3%増)と順調に伸びている。
 ECソリューション事業の売上の内訳は、EC、Webサービス、データセンターに分けられるが、それぞれの09年3月期、10年3月期、11年3月期(計画)の売上高の推移をみると、ECの売上高は、14億8100万円、18億1600万円(同22.6%増)、19億8000万円(同9.0%増)。
 Webサービスの売上高は、1億200万円、1億7500万円(同71.5%増)、3億円(同71.4%増)。
 データセンターの売上高は、7億3200万円、8億1900万円(同11.85増)、9億2000万円(同12.3%増)と年々売上が拡大している。

■ECソリューション事業の売上の多くがストック型

 このように売上高が拡大しているのは、ECソリューション事業の売上の多くがストック型になっているためである。ECサイトの構築を契約すると、ソフトのカスタマイズが完成した後で、サーバーを同社の有明のデータセンターで預り、365日間24時間体制でサイトの管理を行なうことになる。一旦データセンターで預かれば、多くの顧客は契約の更新時期が来ても、再契約をすることが多い。従って、毎年新規顧客が増えれば、それだけ、既存ソフトのカスタマイズ、保守、データセンターの売上は年々拡大することになる。現在、有明のセンターでは約1000台のサーバーを預かっている。
 そこで、毎年拡大する既存ソフトのカスタマイズ、保守、データセンターの売上高の09年3月期、10年3月期、11年3月期(計画)の推移を見てみる。
 既存ソフトのカスタマイズ6億円、6億8500万円(同14.1%増)、7億5000万円(同9.4%増)。
 保守1億8900万円、2億6700万円(同41.2%増)、3億3000万円(同23.5%増)。
 データセンター7億3200万円、8億1900万円(同11.8%増)、9億2000万円(同12.3%増)。
 既存ソフトのカスタマイズ、保守、データセンターを併せた売上高の推移は、15億2200万円、17億7100万円(同16.3%増)、20億円(同12.9%増)と順調に増えている。

■営業員120名体制、代理店もあり、営業体制は万全

 一方、同社では売上の主力となるECソリューション事業の新規顧客を開拓するために、営業員120名体制をとっている。展示会、ホームページでの案内などで関心を持った来場者をターゲットとしている。5月の展示会では1800枚の名刺が集まるほどで、同社のブースへの関心は高かったそうである。この他に、代理店もあり、営業体制は万全といえる。
 また、開発人員は、顧客のニーズに即対応できるように、外注も含めて200名の体制をとっている。
 同社はこれまでにECサイト550サイト以上のサイト構築の実績があり、業界ではbPといえる。今期は更に顧客満足度を高めるために、ホームページとは違った販売に結びつけるためのサイトであるブランド・サービスサイトの機能アップに努めている。このサイトの目的は、商品・サービスを紹介し「問合せ」をさせることで、ECサイトへの導入を図る。

■EC市場断トツのNo.1企業になることが将来のビジョン

 これまで構築した主な企業は、日本ミシュランタイヤ、電通グループ唯一の通販サイト(店舗数1000店以上)、無農薬野菜宅配サービスランキング1位である「らでぃっしゅぼーや」のECサイトのデザインから物流システムまでを構築、アカチャンホンポWeb Shopping等がある。
 今期は、新規60社を目標にしている。顧客満足度を重視し、知名度、信頼度をアップすることで、EC市場断トツのbP企業になることを将来のビジョンとしている。
 総務省情報通信政策局の調査によるインターネット利用率は、99年第4四半期19.1%であったが、09年第1四半期は91.1%までに伸びてきている。
 インターネットの利用が高まるにつれて、EC市場は拡大している。そのなかで、最も優れたサイト構築ソフトecbeingを持つ同社の今後の業績拡大は期待できる。

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