2012年02月20日
スターティア:第3四半期連結業績についての説明会を開催
■営業地域の拡大とグループ企業として2社が増えたことを紹介
スターティア<3393>(東マ)は17日、東京証券会館で12年3月期第3四半期連結業績についての説明会を開催した。
代表取締役社長本郷秀之氏は第3四半期の内容について詳しく説明を行った。
「昨年の10月3日に名古屋の方に出店をしまして、従来の戦略の通り、ソフトバンクさんのお得ラインとか回線からスタートして、顧客の開拓を進めています。まずはお得ラインの販売部隊総勢約10名でスタートしました。いい方向でスタートできたと思っています。実は、名古屋というのは、トヨタ自動車の関係もありまして、KDDIさんが強いといわれていたのですが、アイフォンを含めてソフトバンクの携帯電話では比較的日本では高いシェアを誇っている地域でした。そのため、非常に良い形で取り入れていただいています。来期以降さらにいろいろな部隊を導入しようと思っています。大阪の次に市場としては大きいイメージでありますので、福岡以上の規模に育てていきたいと思っています。それから持ち分法適用会社として、2社増えています。株式会社アーバンプランと、スターティアソフトという中国のソフト会社に出資しました。スターティアソフトは100%スターティアラボのアプリケーションソフトの開発会社ということで、会社を作っています」と営業地域の拡大とグループ企業として2社が増えたことを紹介。
アーバンプランは、2011年11月9日に設立、オフィス移転、改築に伴うレイアウト作成等を行う。中小企業の店舗に限らず、従業員50名規模の拠点をターゲットとして、移転・改築・内装工事などを請け負う。
スターティアソフトは、11年10月27日に設立、主として電子ブック作成ソフトの企画・開発を担当する。同社としては、オフショアの第一歩で、中国で開発するため、開発生産性が大幅に改善され国内でのコストの2分の1となる等の利点がある。
■600万事業社、法人の数でいうと約460万社がターゲット
同社は、競合が少ない従業員300人未満の企業へトータルなIT環境を提案している。事業は、NW機器の販売・構築等を行うネットワークソリューション関連事業、電子ブック作成ソフト等の販売を行うウェブソリューション関連事業、通信機器・通信回線等の提供を行うビジネスソリューション関連事業の3事業に分けられる。
ターゲットなる中小企業について、「政府の中小企業の貸出しに対する法案にストップがかかるのではないかということでしたが、引き続き延長になるということだったので、帝国データバンクの数字なんかを見ていますと倒産件数が増えるのではないかと注意していましたが、今のところそういう気配もないものですから大体600万事業社数、法人の数でいうと約460万社が我々のターゲットとするところです。次に進出する地域は横浜と思っていますけれども、仙台も視野に入れていきます。戦略としては、大手のSIer、Nlerさんが入ってこないところ、あるいは専門の情報通信、システム担当あるいはWebディレクターといった方々がいらっしゃらないところで、自社でメインテナンスが出来るエリアに対して、コツコツと販売しています。」とターゲット企業と今後の進出都市、サービスについて語った。
■ワンビリングで請求する金額は月間約2億円
同社の販売方法のひとつであるクロスセルに関しては、「コピーのカウンター料金ですとか、IP電話のレンタル、ネットワークのレンタル、あるいはホスティング事業、電子ブックの保守費用、あるいはお得ラインの再販の通話料等を一つずつ売ってきて重なったお客様が非常に増えてきています。それを1枚の請求書で請求させていただき、現在9千数百社の企業様に毎月ワンビリングで請求させていただいています。今期ワンビリングで請求させていただいている金額は、月間約2億円となっています」とクロスセル方式が実り、確実に成長していることを紹介した。
中期3カ年計画は、今期を初年度として、売上高47億円、営業利益4億円、13年3月期57億円、6億円、14年3月期68億円、8億円を予想している。
「過去3億円以上の利益を出したことはないわけです。どんなだろうなあと少し不安がありましたが、やはりストックが非常に貯まっていることもありまして、事業も市場もそんなに悪くないため、予想通り、今期の売上高47億円、営業利益4億円は達成できるのではないかと思っています。今期が達成できることで、次の数字も達成できるイメージを持っています」と自信を示した。
■1回の会社説明会で100名以上の学生が参加、既に東京、大阪、福岡で開催
中期経営計画を達成するための取組みとしては、「今期は、ともかく人を増やそうということで、50名超の社員を採用しました。今月の火、水、木で今年の4月1日入社予定の66名の新卒の研修もスタートしております。東京、大阪、福岡で、既に会社説明会を実施しています。1回の説明会で100名以上の方が参加されています。来年は70名から80名採用する予定ですから、今のうちから動いています。それから継続的ストックサービスの提供によるストック売上の積み上げに関しては、当期ストック売上目標を15.4憶円としていますが、普通に行っていれば達成できると見ています。電子ブック作成ソフトに対する積極的な機能開発を行っているため、今期の開発費用は1億5000万円を見ていますが、現在9000万円ほど使っています。いつ、どういう時期に、どのようなものを開発するかということによります」と採用、ストックの売上目標、電子ブック作成ソフトの開発費についての概要の報告が行われた。
■ストックの売上高は順調に伸びる、今期目標15億40百万円の達成は堅い
人員の推移、ストックの売上の推移、電子ブックソフトの開発費用の推移について更に詳しく語った。「3年ほど前にそんなに人を採用して大丈夫ですかと心配されたこともありましたが、10年3月期には社員202名のとき24名の新卒を採用しました。11年3月には230名のとき24名、今期259名に対して48名採用したことで、社員数は307名となっています。来期307名に対して、66名の新卒を採用予定ですので、来年の今頃には、400名に近い社員数になるのではないかと思っています。ストックの売上については順調に伸びています。ストック売上の伸び率は、10年第3四半期28.6%増、11年第3四半期31.5%増、11年第3四半期44.0%増と大幅増収となっています。通期でのストックの売上高は、09年3月期6億64百万円、10年3月期8億64百万円、11年3月期11億49百万円と順調で、今期12年3月期は15億40百万円を見込んでいますが、これは堅くいくのではないかと見ています。電子ブック関連の開発費用の推移は、10年3月期10百万円、11年3月期75百万円でした。今期は先ほど述べましたように、1億50百万円を見込んでいます。また、電子ブックのソフト開発に関して、大連の方は人件費が高騰していますが、スターティアソフトのある西安は安くて優秀な学生が採用できるということです」と説明が行われた。
■第3四半期連結業績では3事業とも増収増益を達成
12年3月期第3四半期連結業績は、売上高35億46百万円(前年同期比21.3%増)、営業利益1億87百万円(同54.6%増)、経常利益2億円(同51.8%増)、純利益1億5百万円(同51.7%増)と大幅増収増益で着地している。
セグメント別売上高、セグメント利益は、ウェブソリューション関連事業7億9百万円(同2億30百万円増)、93百万円(同40百万円増)、ネットワークソリューション事業10億28百万円(同1億19百万円増)、1億13百万円(同31百万円増)、ビジネスソリューション事業18億7百万円(同2億74百万円増)、5百万円(同1百万円増)と全事業において増収増益となっている。
ビジネスソリューション事業の利益が少ないことに関しては、「M&Aの消却、コピー機のカウンターとかメインテナンスのサービスを行う際に、先に人を採用し、バイク等も購入する等経費がかかるうえに、先にメインテナンスをした後から入金となることに加え、顧客開拓が急激に伸びているため、人件費が若干前倒しでかかっています。そのため、収益が少なくなっていますが、やがて回復すると見ていますので、全く問題視していません」と内状を説明した。
売上高に占めるストック売上高の比率は、08年9.5%、09年13.8%、10年25.8%、11年28.3%となっている。今通期の予想では32.9%を見込んでいるが、第3四半期で33.6%となっていて、既に通期の予想を上回っている。
■3月の震災以降、データのバックアップの必要性を認識し、セキュアサンバの売上伸びる
ストック型サービス商材については、「ウェブソリューション関連事業としては、電子ブック作成ソフトです。これはSaaSで月額料金9,800円から3万9,800円までのストックのサービスと、売切り版の250万円に対して、約数万円のバージョンアップ料金も含む保守料金をいただくことがストックの中心になります。ネットワークソリューション関連事業につきましては、月々のホスティングサービス、それからオンラインのストレージサービスであるセキュアサンバも3月の震災以降、データのバックアップを取ることが必要であると認識した企業も多く、順調に伸びています。そして3年から4年の保守サポート付きのネットワーク機器のマネージドレンタルも順調に台数を伸ばしてきています。コピー、レンタルビジネスフォンの方も順調に伸びてきています。また、名古屋に出店したことで、お得ラインも上振れてきているようでございます」とストック型のサービスが好調であることを紹介した。
売上の牽引役である、電子ブック作成ソフトの導入社数の3カ月毎の推移をみると、10年3月末638社から、6月末712社、9月末792社、12月末905社、11年3月末1,033社、6月末1,160社、9月末1,294社、12月末1,412社と順調に拡大している。今期末には1,600社を見込んでいる。
■電子書籍作成ソフトの導入が進んでいる理由を紹介
最後に、同社の電子ブック作成ソフトの強みについて詳しい説明が行われた。
「当社の電子ブック作成ソフトというのは、BtoCで事業をされているB向けのソフトウェアの作成サービスですから、漫画を見るソフトとは完全に違います。これを同じように語ってしまうと競合がいっぱい増え、誤解を招くことになります。我々のソフトの顧客は、全く違います。ひとつの我々の強みはワンオーサリングマルチデバイスです。我々のActiBookで作ったものですと、アイフォン、アイパッド、アンドロイドにすべて対応していますので、1回の操作で見ることが出来ます。端末ごとに、iOS、OS毎に違うソフトに作り替える必要がありません。これが最大の武器です。更に、カタログも電子化することで、企業にとっては、輸送コストの削減が実現出来ます。実は、我々の電子ブック作成ソフトで、ソフトを作りになられる企業は、併せてホームページの中で立ち読みサイト、カタログサイトを作られているところがほとんどです。Webサイト上でカタログをアップされる方は、100%そこで商売をしたい、売上を伸ばしたいという方々です。そうすると何を知りたいかというと、売れなくてはいけないし、サイトに集まってもらわないといけないので、当然SEOとかの話にもなりますし、どこのカタログ通販だったら、どこの部分の、どこの商品に、どれだけお客さんが集まっておられるか、つまりどこに興味を持たれているのかということが、瞬時で分かって、それに対して瞬時に手を打つことが必要です。タイムリーに手を打てるということがマーケッティング上大事なことです。これが我々の電子ブック作成ソフトで作った電子書籍であれば、ログが取れるということです。このログを解析することで、売上の拡大につなげることが出来ます」と同社の電子書籍作成ソフトの導入が進んでいる理由を紹介した。
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