
11月14日に発表しているように、第2四半期連結業績は、売上高24億2100万円(前年同期比29.9%増)、経常利益9300万円(前年同期△2500万円)、純利益700万円(同△2200万円)の大幅増収黒字転換となった。今期は売上規模の拡大だけでなく聖域なき経費削減に取り組み経営効率の向上に取組んでいることからその成果が表れている。
従業員が300人未満の中小・中堅企業の多くは、専門の情報技術者がいないため、IT環境のトラブルが発生した場合に困る例が多い。そこで、同社のようにITのソリューションサービスを行う企業のニーズが出てくる。また、ITのソリューションサービスを提供するだけでなく、同時にオフィスファシリティの仕事、事務系の人材派遣へと顧客の需要を掘り起こし、売上の拡大へとつなげている。
対象となる企業は、大手システムインテグレーターやネットワーク機器ディーラーが参入してこない企業で、営業拠点から1時間から1時間30分で駆けつけられるエリアにある首都圏100万社、関西地区58万社、九州地区24万社の中小企業にターゲットを絞っている。現在営業拠点は、東京2拠点、大阪1拠点、福岡1拠点で顧客数は2万7000社。
事業内容は、ソリューション関連事業、オフィス関連事業、回線サービス関連事業、インターネットメディアコンテンツ関連事業、人材関連事業の5事業に分けられる。
まず、ソリューション関連事業では、ルーター、ファイアーウォール、アンチスパムといったネットワーク機器や、ネットワーク構築技術を提供する。また、通信業者、プロバイダーの中からニーズ、料金形態、エリア環境から最適化の環境を提案している。その他にメール、ウェブを預かるホスティングサービスも提供している。現在で約5000社にホスティングサービスを提供。
オフィス関連事業及び回線サービスの関連事業では、ビジネスホン・複写機等のOA機器だけでなくお得ラインの再販で回線の最適化を提案している。しかもソフトバンクより2%安く販売し、顧客の囲い込みを実施。更に、顧客企業に最適なオフィスレイアウト、ファシリティを設計提案している。また、ビジネスを活性化するために、不動産関連企業に投資して、事務所移転を計画している企業の情報を事前に手に入れ、ビジネスにつなぐ等、独自の事業展開を実施している。
インターネットメディアコンテンツ事業では、中小企業向けの各種ソリューションを独自に開発している。電子ブック作成ソフト(ActiBook)Web作成ツール等を販売。特に、電子ブック作成ソフト(ActiBook)Web作成ツールは、大手出版社、大手電力会社、市役所等のニーズがあり、今第2四半期では5500万円(前年同期比146.3%増)と急成長。
人材関連事業は、子会社のスターティアレナジーが行っている。正社員採用を前提とした質の高い派遣を行うために、意欲の高い人材育成のための仕組みを作り、中小企業の採用を支援。第2四半期の人材派遣業の売上高は2億200万円(同177.6%増)と急増している。
第2四半期累計の事業別売上高と営業利益見ると、ソリューション事業(ネットワーク機器、レンタルサーバー、ISP回線取次、ホスティングサービス)5億6210万円、営業利益3710万円、オフィス関連事業(ビジネスホン、複合機及びカウンターサービス、オフィス設計・事務家具販売、通信環境を意識したオフィスレイアウトの提案)10億5370万円、営業利益2260万円、回線サービス関連事業(電話回線手配等の回線加入受付代行<おとくライン、携帯電話加入>)2億2630万円、営業利益190万円、インターネットメディアコンテンツ関連事業(Webアプリケーション<電子ブック、CMS、業務効率改善アプリケーション>、Web制作、アクセスアップコンサルティング)1億8770万円、営業利益2730万円、人材関連事業(法人企業向け人材派遣・人材紹介サービス、連結子会社スターティアレナジーの事業)3億9200万円、営業利益△140万円となっている。
同社のビジネス環境は、米国のサブプライムローン問題による金融市場の混乱、原油・原材料の高騰により、ターゲットとする中小企業の収益は落ち込んでいることから厳しいといえる一方で、事業の効率化の面で情報投資は欠かせないため、企業の要求は高度化している。したがって、売り切りのビジネスモデルでは対応が困難で、地域・顧客に密着して柔軟なサービスを提供する同社のニーズは益々高まっている。
今通期連結業績は、売上高50億円(前期比19.4%増)、経常利益1億5000万円(同6.8%増)、純利益5000万円(同50.6%減)と2ケタ増収大幅最終減益を見込む。
最終利益が大幅減益となっているのは、不動産関連企業への投資を減損処理し、3784万円を特別損失として計上する影響のためである。保有していた投資有価証券のほぼ9割を特損計上したため、今後の業績に影響を与える程度の特損は無くなる。
同社のように、最もIT情報機器のサービスを必要としている多くの企業のニーズに応えるビジネスを展開していることから、市場は大きく、今後の更なる事業拡大が予想される。