スターティア:第3四半期連結業績は2ケタの増収増益、計画を上回るペース
■今期は事業拡大のための積極的投資を実施、海外展開も本格化
従業員300人未満の中小企業へトータルなIT環境を提案するスターティア<3393>(東マ)の今期第3四半期決算説明会が、2月3日に行われた。
1月31日に発表された同社の今期第3四半期連結の売上高は、前年同期比19.3%増の55億85百万円、営業利益は同10.2%増の3億64百万円、経常利益は同14.5%増の3億88百万円、純利益は同18.1%増の2億31百万円と今期も好調で、2ケタの増収増益であった。
今期は事業拡大の先行投資を積極的に行っている。まず、新卒87名を採用し、新人育成を強化するために東東京支店にキャリアプロデュース営業部を創設した。海外事業では、上海スターティアを設立すると共に、台湾のホーマデジタルと資本提携を行い、海外での事業展開を本格的に開始した。また、クラウドサービスのセキュリティ強化のために、ホスティングサービスに1億3000万円、電子ブック作成ソフトの開発費用として2億5000万円の投資を行う。
今期は中期3か年計画の最終年度として過去最高の営業利益8億円達成を計画している。実現するためには、第4四半期(1月から3月)で4億52百万円の営業利益を確保する必要がある。当初計画では第3四半期累計の営業利益は3億48百万円としていたが、実績は計画を16百万円上回っている。また、今年は4月から消費税8%導入が決定していることから、駆け込み需要が予想されため、第4四半期の営業利益は例年よりさらに拡大するものと期待されている。
業績は毎期最高益更新を継続中である。その成長のけん引役が電子ブック作成ソフト「ActiBook」を代表とするウェブソリューション関連事業である。今期も好調で、第3四半期累計のウェブソリューションの業績は、売上高13億21百万円(前年同期比32.4%増)、セグメント利益1億46百万円(同164.7%増)と大幅増収増益となっている。
もう一つの成長のけん引役は、ストック商材である。第3四半期累計のストック商材の売上高推移は、12年3月期12億20百万円、13年3月期16億54百万円、14年3月期19億14百万円と順調に拡大している。ストック商材の売上が伸びることで、業績は安定し、収益が安定することで、積極的な設備投資が行えることから、更に事業が拡大するという好循環が生み出されている。
ただ、今期は先行投資を行ったことで、ネットワークソリューション関連事業、ビジネスソリューション関連事業は、売上は2ケタ増収であるものの、減益となっている。
ネットワークソリューション関連事業の今3四半期連結累計業績は、売上高15億19百万円(同16.2%増)、セグメント利益2億12百万円(同14.9%減)。減益の要因は、ホスティングのセキュリティ強化のための投資と、上海スターティアへの先行投資である。
ビジネスソリューション関連事業は、売上高27億45百万円(同15.5%増)、セグメント利益41百万円(同25.2%減)。減益の要因は、名古屋で自社メンテナンスのための技術者を採用したことによる人件費が増加したことによる。
財務内容は、有利子負債はゼロ。自己資本比率77.6%と健全そのもの。
今期14年3月期連結業績予想は、売上高81億60百万円(前期比22.9%増)、営業利益8億円(同21.9%増)、経常利益8億円(同22.0%増)、純利益4億円(同2.3%増)と最高益更新を見込む。
話題としては、上海スターティアで提供開始する新ネットワークサービス「グローバルゲートウェイ」が挙げられる。中国でのネット環境は劣悪で、中国に進出している日系企業にとって日本とのネットがつながりにくいことが大きな問題となっている。ところが、同社が提供する「グローバルゲートウェイ」を採用するとこの問題が解決するため、現在多くの問い合わせが殺到しているそうである。
また、ホーマデジタルと業務・資本提携したことで、東南アジアでの電子ブック作成ソフト、グローバルゲートウェイの販売が活発化している。
市場を日本国内だけでなく、海外へと拡大していることから、今後も成長が期待できる。
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