2009年12月03日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

スターティア:利益率の高い事業を中心に経営資源を投資


■ストック型収入の増大で筋肉質の収益構造を目指す

スターティアホームページ 中小企業向けのトータルオフィスソリューションを提供するスターティア<3393>(東マ)は、12月1日に証券会館で今10年3月期第2四半期決算説明会を開催した。

 今第2四半期連結業績は、11月13日に発表済み。売上高15億2000万円(前年同期比37.2%減)、営業利益△3400万円(前年同期8900万円)、経常利益△3200万円(同9300万円)、純利益△4000万円(同700万円)と減収減益で、赤字であった。一見すると減収減益で、業績は悪化しているように判断されがちであるが、実は改善してきている。
 第1四半期(4月から6月)の業績は、売上高7億6900万円、営業利益△7000万円、経常利益△6600万円、純利益△6000万円と営業利益以下が赤字であった。
 しかし、第2四半期(7月から9月)は、売上高7億5100万円、営業利益3600万円、経常利益3400万円、純利益2000万円と黒字化している。利益率の高い事業を中心に経営資源を投資するために事業再編を行なった結果が早くも表れてきている。
 第2四半期連結累計業績が、大幅減収となっているが、その主な理由は、前期に人材派遣会社であるスターティアレナジーを売却する一方で、オフィスファシリティ部門を吸収分割し持分適用会社として共に連結対象から除外した影響により、約6億6200万円の減収となったためである。また、売り切ではなく、継続的な売上が見込めるストック商材に注力している影響もある。
 しかし、ストック商材が現在増えてきていることから、経営基盤は確実に強くなってきている。09年第2四半期連結売上に占めるストック商材の売上高は3億3900万円、今10年第2四半期は4億400万円となっている。第2四半期のストック型売上比率の推移を見ると、08年9.5%、09年18.3%、10年26.6%と着実に伸びている。10年3月期では30%を超えると見ている。ストック型収入の増大で筋肉質の収益構造を目指している。

■着実にストック型の売上比率が高まっていることから事業運営は順調

 一方、忘れてならないのが、同社が開発した電子ブック作成ソフト「Digit@Link ActiBook(デジタリンクアクティブック)」である。採用企業には、大企業の名前が連なる。現在大手300社以上が導入している。なかでも出版関連200社に導入されていて、シェアトップを誇っている。
 更に、Webアプリケーションの企画、開発、販売に留まらず、顧客の売上増大や業務効率アップを目的としたトータルソリューションを首都圏で提供しているが、大阪支社、福岡支店にも直営営業部門を配置するとともに、「Digit@Link ActiBook(デジタリンクアクティブック)」の新規代理店開発をおこない、中長期拡販に向けた大口新規代理店の獲得していることから、大阪、福岡での売上拡大が期待される。
 今通期連結業績予想は、売上高34億円(前期比28.7%減)、営業利益1億5000万円(同38.0%減)、経常利益1億4300万円(同43.5%減)、純利益6000万円(同36.2%減)と減収減益を見込んでいる。
 先述しているように、前期2事業を連結対象からはずした上に、ストック型の売上比率を高めていることから、減収となっているが、筋肉質の収益構造を確立するための過渡期であり、着実にストック型の売上比率が高まっていることから事業運営は順調といえる。
 一方、株価は、純資産方式でも(PBR1倍)5万4671円であり、現在の3万5000円は、当日本インタビュ新聞社としても余りに割安といえる。
 また12月2日に同社の株価に対してKCR総研が+2のレーティングを付けた。KCR総研のレポートによれば、スターティアの現在の株価は、割安に放置されており、妥当株価は類似企業批准方式で7万3195円、収益還元方式で7万3660円としており、同社の収益が例年下半期に集中していることから、妥当株価の7万3000円に向けて水準訂正されるであろうとのこと。
 同社の執行役員経営企画室長兼財務経理部長の後久正明氏は、今後も同水準で株価が推移するのであれば、会社として何かしらの対応をする必要性があるとしている。今後のスターティアに期待したい。