■スターティアラボを設立し、電子ブック作成ソフトの需要を早期に取り込む体制を整える

前期連結決算は、14日に発表されているように売上高33億5300万円(09年3月期比29.7%減)、営業利益1億6000万円(同33.8%減)、経常利益1億6400万円(同34.8%減)、純利益1億1500万円(同22.5%増)であった。
前期は、事業の選択と集中を実施するために、事業の精査を行い、スターティアラボを連結子会社として設立し、急拡大している電子ブック作成ソフトの需要を早期に取り込む体制を整えた。
一方、人材派遣事業は、今後も低迷すると予想されることから、連結子会社のスターティアレナジーを売却し、人材関連事業から撤退した。
また、オフィスファシリティ部門をMACオフィスが吸収したうえで、同社がMACオフィスの株式を42.86%取得し、持分法適用関連会社としている。
更に、中長期的に安定成長を実現するために、ストック型ビジネスを開始。具体的には、商材の売切りから、商材を含めたソリューションサービスを提供することで、継続的な売上に切り替えている。従って、売上高は一時的に減少するが、売上が長期に亘り見込めることから安定的に事業の拡大が見込めることになる。
そのため、レンタルサーバーの強化、ネットワーク機器レンタルサービスの強化、MFP(高機能コピー機)の強化によるカウンターサービス売上の向上、レンタルビジネスフォンの提供などストック型サービスメニューの拡充を図っている。
■前期の四半期毎の業績は、ほぼ順調に売上高、経常利益共に伸びる
前期の業績は、売切り型ビジネスから、ストック型サービスへ大きく舵を切り替えた影響が出ている。特に、売上高は47億6000万円から33億5300万円と大幅な減収となっているが、この要因は、スターティアレナジーの売上高7億6300万円、ファシリティ部門の売上高6億5500万円が消えた影響による。
前期の四半期毎の売上高、経常利益の推移を見ると、第1四半期7億6900万円、△6600万円、第2四半期7億5000万円、3300万円、第3四半期8億2600万円、3500万円、第4四半期10億700万円、1億6100万円とほぼ順調に売上高、経常利益共に伸びた。その結果、当初計画を上回り、5月7日に上方修正を発表している。
また、セグメント別の売上高、営業利益を見ると、インターネットメディアコンテンツ関連事業4億8900万円、1億3600万円、ソリューション関連事業11億9200万円、400万円、オフィス関連事業16億2500万円、5100万円、回線サービス関連事業3億9700万円、1500万円となっている。特に目立つのは、インターネットメディアコンテンツ関連事業の利益率の高さ。同社では、インターメディアコンテンツ関連事業を中心に資本投下していく方針。
ストック型サービスの売上高、粗利益のこれまでの実績と今期予想は、09年6億6500万円、3.3億円、10年8億6500万円、4.5億円、11年(計画)11億4500万円、6億1000万円としている。今期は売上高、租利益共に30%を超える大幅増収増益を見込んでいる。
貸借対照表では、流動負債8億8600万円(同9000万円増)、固定負債2億9300万円(同5000万円増)、純資産13億6200万円(同1億600万円増)となっている。自己資本比率は53.6%と1.2ポイント下げているが健全そのものであり、財務体質は磐石といえる。
■今後の人員増強に向け、本社を移転
今11年3月期の取組として、まず電子ブック作成ソフトの拡販体制を第1に取り上げている。そのため、今期採用31名の新卒採用のなかから10名以上をインターネットメディアコンテンツ事業部に配属し、営業力を増強。また、電子ブック拡販のための開発費予算4000万円も準備。更にストックサービスの開発も重要項目としている。
また、今後の人員増強に向け、本社を移転。第1四半期予算に、本社移転関連費用4600万円を計上している。来期には50名の採用を予定。
更に、当期はストック型サービスの拡販を加速し、先述しているように、11億4500万円、粗利6億1100万円の達成を目指すとしている。
ソフト、移転費用などの積極投資を第1四半期に集中することから、第1四半期の売上高、経常利益は7億9000万円、△1億1000万円となる見込みである。
しかし、これまでのストック型への移行で、ストック型の売上高は安定的に伸びている。例えば、コピーカウンター、おとくライン再販、レンタルネットワーク機器、レンタルサーバーの売上高は、全売上に対し、08年3月期9.5%、09年3月期13.8%、10年3月期25.8%と順調。今期の30%越え、粗利6億5000万円は、ある程度確保している模様である。
そこで、これまで配当を350円としていたが、今後中期的に業績が加速度的に成長することを見越し、配当の基準を配当性向10%とし、今期537円を予定している。「もし、今後350円を割ったら、350円を保証します」と今後の成長に自信を示している。
■先送りしていた利益回収の期間に入る来期以降の中期計画に注目が集まる
今期11年3月期連結業績予想は、売上高38億5000万円(同14.8%増)、営業利益2億円(同25.0%増)、経常利益2億円(同22.0%増)、純利益1億1500万円(同0.0%増)と増収増益を見込む。
また、同社は5月7日の前期業績着地予測の上方修正から英語版のリリースを発表している。更に、24日の証券アナリスト・機関投資家・報道機関向けの決算説明会でもファクトシートを英語版で作成するなどしている。また英語版の決算短信も現在準備中とのことであり、国内外の機関投資家やアナリストに発送予定であるとのこと。
31日夕方には、東京証券会館にて個人投資家向けの決算説明会を開くとともに、大手証券会社各支店のエクイティ部門の担当者向けにIRを積極的に開始する。
また同社は今回の決算説明会で、中間決算説明会時に「中期経営計画」を発表することを打出している。ストック型サービスへの移行が一巡し、先送りしていた利益回収の期間に入る来期以降の中期計画に注目が集まっている。
このギリシャの金融不安を発端として、市場が大幅に下げたことから、同社の株価は、ピークの40万円から半減しているが、電子ブック市場での同社の優位性・成長性に変化は無く、今週末28日に国内にてiPadの販売がスタートすることから再度株価見直しが予想される。