2011年06月06日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

サンコーテクノの前11年3月期は増収大幅増益を達成


■民間の設備投資の回復傾向を受け、金属系、接着系アンカーの販売数量増加

サンコーテクノのHP あと施工アンカーのサンコーテクノ<3435>(JQS)は、27日に前11年3月期決算説明会を兜町平和ビルで開催した。
 昨年6月より新社長に就任した洞下英人氏が、会社概要、前期決算、中期経営ビジョンの順で説明を行った。
 前11年3月期連結業績は、売上高13,626百万円(前年比3.7%増)、営業利益518百万円(同196.3%増)、経常利益489百万円(同178.9%増)、純利益260百万円(同148.4%増)と増収大幅増益を達成した。
 主力のファスニング事業は、民間の設備投資の回復傾向を受け、金属系、接着系アンカーの販売数量が増加したうえ、新製品の売上が順調であった。売上高10,419百万円(同3.5%増)、売上総利益は3,301百万円(同8.9%増)と増収増益。
 リニューアル事業は、あと基礎アンカー、スクールニューディール政策を追風に順調であったが、大震災により、工期の遅れが発生したこともあり、売上高2,612百万円(同9.3%減)、売上総利益577百万円(同10.7%減)と減収減益となった。
 センサー事業は、法改正によるアルコール測定器の駆け込み需要が発生したことに加え、設備、車両、医療機器分野の電子基板の受注が増加したことで、売上高695百万円(同96.0%増)、売上総利益234百万円(同338.1%増)と大幅増収増益を達成した。

■オールアンカーに代表されるように、開発力には定評のある企業

 同社はオールアンカーに代表されるように、開発力には定評のある企業。10年4月に発売された業務用アルコール測定器は、他社が開発した製品であるが、昨年秋口より自社で製造を行っている。前期の各センサー測定器の売上高は368百万円であった。
 10年6月1日から発売を開始したあと基礎アンカーは同社ならではの画期的な製品。太陽光発電パネルの架台を設置するのにコンクリート基礎を使用していたが、あと基礎アンカーを使用することで、建物への負担を減らすことが出来るうえ、工期の大幅短縮を実現、学校を中心に使用されている。前期は66物件で使用され、売上高71百万円であった。今期も拡大すると期待されている。
 更に、現場での引張確認試験の要求が増えていることから、軽量で、簡便な引張試験機テクノテスターKT−6を開発した。昨年の7月21日より発売を開始。前期の売上高は6百万円。この他に、今年2月14日に新発売したオールコアドリルがある。

■中期経営計画の最終年度2014年に売上高200億円(連結)達成を目標

 中期経営計画として、PLAN2014を発表している。具体的な施策として、売上年間5%UP、新商品の売上比率を年間5%UP、原価5%削減、営業利益率5%確保、成果報酬(賞与)の倍増と5項目を掲げている。
 最終年度2014年に売上高200億円(連結)を達成するため、売上高年間5%増としているが、11年3月期は3.7%増と未達に終わった。今12年3月期は売上高14,500百万円(前期比6.4%増)を計画している。
 また、最終年度に新製品の売上高34億円を達成するために、新製品の売上5%増を掲げている。11年3月期は1,008百万円(前年比136.7%増)と大幅に伸びている。12年3月期は1,498百万円(前期比48.6%増)を計画している。
 2014年までに営業利益率5%確保に関しては、10年3月期3.8%、今期は3.3%の予想。
 今12年3月期連結業績予想は、売上高14,500百万円(前期比6.4%増)、営業利益480百万円(同7.3%減)、経常利益460百万円(同6.0%減)、純利益245百万円(同5.8%減)と増収ながら減益を見込む。
 減益要因としては、センサー事業関連の材料費の高騰、人件費・設備投資費用がある。

■リニューアル事業では、新しい耐震工法を普及し、ディスクアンカーの売上拡大を目指す

 今期は、震災後の復旧・復興へ向けて、東北管内の人員体制の強化を図り、復旧、復興関連の情報の収集に努めると共に、情報に基づいた対応を推進する。更に、建設資材の安定供給に向け、資材の確保とスピーディーな納入体制を整えるとしている。
 環境分野については、ソーラー架台の取り付け法として、あと基礎アンカーを使用する「ダイレクトスラブ工法」、グランドスクリューを用いる「ダイレクトアース工法」を拡販する。その一環として、防水メーカとのOEMを開始すると共に、設計支援システムの提供を進める方針。
 リニューアル事業に関しては、同社のディスクアンカー(高性能せん断アンカー)を使用し、前田建工業、東洋建設と共同で開発した「MaSTER FRAME構法」、飛島建設、大本組と共同開発した「SRC造対応の間接接合部工法」といった新しい耐震工法を普及することで、ディスクアンカーの売上拡大を目指す。
 センサー事業では、5月16日に柏事業所を開設し、センサー事業を集約し、製品開発のスピードアップ、サービスの向上に努める。今期は、IT点呼システムの普及を進めると共に、旅客、貨物自動車運送事業から一般事業へも領域を拡大し、アルコール測定器の市場を拡大する。また、ガス漏れなどの検知に便利なCO測定器も開発していることから、CO測定器市場の創出も目指す。
 更に、タイを中心として、東南アジア圏へ販路を拡大するため、タイに第4工場棟を建設し、12年1月に竣工予定。
 今期は増収ながら原材料の高騰により減益を見込むが、将来へ向けた戦略は着実に実施されていることから、今後の事業拡大に期待が持てる。

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