2013年05月23日
決算情報メディアアイアール 日本インタビュ新聞社

テクマトリックス:前13年3月期連結業績は増収大幅増益を達成


■情報基盤事業に関しては、過去最高の業績

 今年2月に1部に上場したテクマトリックス<3762>(東2)の前13年3月期連結業績は、売上高167億31百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益11億94百万円(同22.9%増)、経常利益11億72百万円(同15.8%増)、純利益6億29百万円(同45.8%増)と増収大幅増益を達成した。

 セグメント別の売上高、営業利益は、情報基盤事業105億61百万円(同7.7%増)、10億17百万円(同9.0%増)、アプリケーション・サービス事業61億70百万円(同12.7%増)、1億76百万円(同367.5%増)とともに増収、増益であった。情報基盤事業に関しては、過去最高の業績となった。

 事業別の概況は、情報基盤事業では、主力の負荷分散装置は昨年度の震災後の特需の反動によりやや頭打ちであったものの、セキュリティ関連製品については、サイバー攻撃の脅威の高まりにより、次世代ファイアウォール製品を中心に好調であった。アプリケーション・サービス事業では、コールセンター向けのサービスであるCRM分野で、大手システム・インテグレーターとの協業による案件数の増加、クラウド事業の拡大、大型案件の納入により、順調に売上を伸ばしたことで、過去最高の利益となった。

■今期は医療分野でクラウドサービスへのビジネスモデルの変更という戦略的先行投資を行う

 今期については、売上は堅調に推移するものの、医療分野でクラウドサービスへのビジネスモデルの変更という戦略的先行投資を行う。他の事業の増収分で補うものの、14年3月期連結業績予想は、売上高175億円(前期比4.6%増)、営業利益11億50百万円(同3.7%減)、経常利益11億50百万円(同1.9%減)、純利益5億50百万円(同12.6%減)と増収ながら僅かながらの減益を見込んでいる。

医療分野のクラウドサービス「NOBORI」は前下期から本格的にサービスを開始したが、既に、約50施設から受注していて、国内では圧倒的トップの座を占めている。今期は100施設の契約を目標としている。医療機関の情報を預かることから、セキュリティの面では東西2拠点のデータセンターに同じ情報を分散し、更に1拠点で二重化することで、4重管理となることから安全で堅牢なデータ管理が行われている。現在、オンプレミス・ユーザーをクラウドサービスに加速度的に置き換えているが、売切り型ではなく、複数年契約の従量制の月額課金のストック型の販売であることから、当面は売上の減少が発生し、損失が拡大する。しかし、2016年度までには、収益のストック化による収益率の大幅な改善が実現し、黒字化する計画。

 また、海外へも戦略的投資を行うことで、事業の成長を加速させる。

■クラウド型の遠隔読影サービスについてはASEAN地域での事業を展開

 「NOBORI」に先んじて、子会社の合同会社医知悟で展開しているクラウド型の遠隔読影サービスについては、国内では黒字基調が定着し、海外の企業も注目している。インドのMahindra Satyamのアジア拠点(シンガポール)と業務提携を1月に行い、ASEAN地域での事業を展開している。この他、CRMについてもASEAN地域で事業開発中である。

 同社の海外戦略の基本方針としては、アジア地域に注力し、現地資本と提携することで、自社開発製品のクラウド型事業を展開していくとしている。

 医療分野では、クラウドサービスの「NOBORI」、医知悟の遠隔読影サービスを提供することで、同社のサービスが国内外でデファクトスタンダードになる可能性が高い。今期は減益予想であるが、このサービスが拡大すると共に圧倒的な強みを持つことになり、同社の収益に貢献するものと期待される。

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