
減益となったのは、売上原価率が81.4%と3.6ポイント高くなり、売上総利益も8000万円減の6億2400万円となったことに加え、販売管理費が3200万円増加した影響である。
同社の事業は、情報処理サービス(データソリューション等)、システム開発(ソフトウェア開発受託等)、アッセンブリー(パッケージソフトの製造配送)の3事業に分けられる。
サブプライムローン問題を端に世の中全体が不景気になっていることから、同社が属する情報産業界にも情報投資の延期、規模縮小などの悪影響が出てきているが、同社の場合は、情報処理サービスの受注は好調で、システム開発も例年と変わらず案件は計画通り取れていることから、不況の影響は出ていない。
事業別の売上高、営業利益を見ると、情報処理サービス10億1400万円(前年同期比2.9%増)、2600万円(同65.8%減)、システム開発20億3600万円(同7.9%増)、5000万円(同56.2%減)、アッセンブリー3億600万円(同4.4%増)、4100万円(同7.9%増)となっている。
情報処理サービスの利益が大幅に減少しているのは、当初4月からスタートする筈の案件が先方の遅れにより7月からスタートしたため、初期投資が嵩んだ影響による。下期に入れば利益は回復すると見ている。
システム開発は、長引いているプロジェクトがあり、工数がオーバーしていて、利幅が薄くなっている影響が出ている。
アッセンブリーは、主要顧客であるPCAの業務がほとんどで、売上、利益ともに順調に伸びている。
財務面を見ると、総資産は未払い金の支払により45億5000万円(同1億1500万円減)、純資産は利益剰余金の増加により33億8400万円(同1700万円増)となっている。自己資本比率は73.5%と2.1ポイント改善し、有利子負債ゼロの超健全な財務内容といえる。
システム開発・情報処理サービス・アッセンブリー事業の全てで、大口の顧客を確保している。しかも、新規の案件を獲得し、その後も継続的に受注する例も多いことから業績は安定し、売上高は毎期過去最高を更新している。
今通期連結業績予想は、売上高71億5100万円(前期比8.7%増)、経常利益4億1700万円(同9.4%減)、純利益2億4100万円(同92.6%増)と増収、大幅最終増益を見込む。配当は期末13円を予定。
同社ではこの不況を、人材確保のチャンスと前向きに捉えていることから、人材確保が進めば、更に業績は拡大すると予想される。
更に、15日に自己株式の取得を発表し、16日に株式発行総数の7.29%に当たる26万株を固定価格297円で取得した。今後の株価動向に注目。