2010年05月17日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

さくらインターネットの前10年3月期は増収大幅増益


■全てのサービスで売上を伸ばす

さくらインターネットホームページ ハウジング、サーバサービス事業を展開しているさくらインターネット<3778>(東マ)は、13日に兜町平和ビルで、前10年3月期の決算説明会を開催した。
 前期の業績は、売上高78億1246万円(09年3月期比9.9%増)、営業利益7億4855万円(同90.8%増)、経常利益7億2385万円(同107.2%増)、純利益5億6709万円(同51.6%増)と増収大幅増益。
 IT投資抑制の影響を受けて、比較的初期費用の負担が重いハウジングサービスについては、成長率が鈍化している。一方、ホスティングサービスは、企業のIT資産に対する意識が「所有」から「利用」へとシフトしていることと、ハウジングサービスと比べて初期費用の負担が軽いことなどを背景に、引き続き高い成長率を維持している。
サービス別の売上高を見ると、ハウジングサービス30億480万円(同4.6%増)、専用サーバサービス26億6907万円(同20.6%増)、レンタルサーバサービス11億9557万円(同26.7%増)と全てのサービスで売上を伸ばしている。
 大幅増益となったが、その要因は収益性の高いホスティングサービスの売上構成比が増加したことで、売上総利益22億7137万円(同4億3625万円増)となり、営業利益も販売管理システムの減損による償却費の負担が軽減されたうえに、オンラインゲームサービスの提供終了に伴い経費圧縮となったことで7億4855万円(同3億5617万円増)となり、最終利益も大幅増益となっている。

■財務内容の健全化が進み、自己資本比率は33.4%と7.2ポイントアップ

 財務状況を見ると、流動資産は、現預金が増加したことから、18億7255万円(同3億5948万円増)、固定資産は販売管理システムの減損評価などによりソフトウエアが2億5683万円減少した影響で32億496万(同7355万円減)となり、総資産は50億7751万円(同2億8592万円増)。
 流動負債は、売上増に伴い前受金が増加したことで27億9230万円(同3億1537万円増)、固定負債は長期借入金・リース債務の返済により5億3016万円(同4億7089万円減)となり、総負債は33億2247万円(同1億5552万円減)となっている。純資産は繰越利益剰余金が増加したことで、17億5504万円(同4億4145万円増)。
 キャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フロー20億2151万円、投資キャッシュ・フロー△9億9339万円、財務キャッシュ・フロー△6億7912万円だったことで、現金及び現金同等物期末残高は3億4932万円増の11億7207万円となる。
 業績は順調であることから、財務内容の健全化が進み、自己資本比率は33.4%と7.2ポイントアップしている。

■今11年3月期業績予想は2ケタ増収、営業・経常利益共に大幅増益を見込む

 同社では、今後のIT市場は、所有から利用へ、構築からサービスへシフトすると見ている。その様な状況下で、郊外型データセンターと都市型データセンターの良い部分を選択して行く方針。具体的には運用効率の低いデータセンターを閉鎖し、その機能を他のデータセンターに移転する。また、立地制約の少ないクラウドサービスやホスティングサービスに特化した郊外型のデータセンターの新設を目指す。更に、既存都市型データセンターも継続使用するというもの。
また、クラウドサービスについては、IT企業、SaaS型サービス事業者、一般企業向けに、これまで培ってきた運用・構築ノウハウを活かし、IaaS(データセンター、サーバ等)/PaaS(データベース等)型のクラウドサービスを提供する。ホスティング事業では、一般企業、IT企業向けに継続的な新規サービスの投入と一般のクラウドサービス以上に柔軟性の高いサービスを提供する方針。
 今11年3月期業績予想は、売上高87億円(同11.4%増)、営業利益9億円(同20.2%増)、経常利益8億8000万円(同21.6%増)、純利益5億2000万円(同8.3%減)と2ケタ増収、営業・経常利益共に大幅増益を予想するが、最終利益は法人税の大幅増加により減益を見込む。

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