2010年11月08日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

さくらインターネットの今11年3月期第2四半期は増収大幅増益


■専用サーバサービス、レンタルサーバサービスの売上の伸びが目立つ

さくらインターネットホームページ さくらインターネット<3778>(東マ)の今11年3月期第2四半期の決算説明会が、4日10時よりみずほインベスターズ証券本社で開催された。
 同社の今第2四半期業績は、売上高42億1100万円(前年同期比10.2%増)、営業利益6億5400万円(同2.4倍)、経常利益6億4600万円(同2.53倍)、純利益2億9800万円(同6.28倍)と増収大幅増益。
 売上高をサービス別に分けると、ハウジングサービス15億800万円(同1.0%増)、専用サーバサービス15億6000万円(同25.7%増)、レンタルサーバサービス7億500万円(同25.1%増)、その他サービス4億3600万円(同16.2%減)となっている。専用サーバサービス、レンタルサーバサービスの売上の伸びが目立つ。

■当初の想定以上に収益性の高いホスティングの売上構成比が高まる

 第2四半期の業績について、売上の伸びに対して利益の伸びがかなり大きいが、その理由は、同社のビジネスモデルがストック型ビジネスであることが挙げられる。データセンター事業は装置産業であるため、通常のビジネスと比べて初期投資額が高い水準にあるが、変動率が低いため一旦売上高が損益分岐点を超えると、売上高が増えるにつれて利益率も高くなるためである。
 また、当初計画の売上高が42億円で、実績は42億1100万円とほぼ変わらなかったのに比べ、営業利益の当初計画は4億300万円で、実績は6億5400万円、経常利益は4億2000万円が6億4600万円と計画よりも大幅に伸びている。その理由は、当初の想定以上に収益性の高いホスティング(専用サーバサービスやレンタルサーバサービス)の売上構成比が高まったことによる。
 また、前期の四半期毎の売上高、売上総利益の推移を振り返ると、第1四半期18億7200万円、4億8300万円、第2四半期19億4800万円、5億3900万円、第3四半期19億6200万円、5億9400万円、第4四半期20億2900万円、6億5400万円と前期は売上高、売上総利益とも順調に伸びた。今期も第1四半期20億9400万円、7億600万円、第2四半期21億1700万円、7億1400万円と引き続き順調に推移している。

■9月1日より初めての仮想サーバサービス「さくらのVPS」の提供を開始

 今第2四半期までに同社では、バックボーンネットワーク回線容量を追加増強し、232Gbpsまでアップしている。また、大阪の本町データセンターを閉鎖し、堂島データセンターに機能を集約した。さらに、今月より堂島データセンターの拡張フロアの運用を開始している。なお、サポート体制を強化し、コールセンタースタッフを増強することで、解約率の低下を図りつつ、土・日曜の営業実現に向けて顧客対応ノウハウを蓄積している。
 一方で、新サービスとして、9月1日より同社にとっては初めての仮想サーバサービス「さくらのVPS」の提供を開始している。
 同社のホスティングには、月額料金125円からの低価格帯サービスであるレンタルサーバサービスと、月額料金7800円からの高価格帯サービスである専用サーバサービスがある。「さくらのVPS」はその中間の価格帯で、月額料金980円である。「サービスを開始して2ヶ月間で約4000件の利用申込を獲得しています。専用サーバは1ヶ月当り200件から400件を獲得していますので、かなりの人気といえます。また、専用サーバ並みの自由度を持っているため、他社のVPSサービスであれば月額2000円から3000円、クラウドサービスでは5000円から6000円することから、コストパフォーマンスの面で人気が集まっているものと思われます」(田中邦裕社長)。

■今通期業績予想を上方修正

 計画を上回るペースで利益が伸びていることから、同社は今通期業績予想を上方修正している。売上高は前回予想通りの87億円(前期比11.4%増)、営業利益は前回予想を1億5000万円上回る10億5000万円(同40.3%増)、経常利益は1億5000万円上回る10億3000万円(同42.3%増)、純利益は3000万円上回る5億5000万円(同3.0%減)と見込んでいる。
 また、今後同社の事業拡大の礎となる石狩データセンターについては、11月中に用地を取得する予定。第4四半期より着工し、12年10月に竣工する予定。稼動は来期の第3四半期を計画している。稼動すると従来の都市型データセンターと比較して、ITコストが半分以下になることから、当社の利益率は更に高まることになる。堂島データセンターが満杯になれば石狩データセンターに切り替えていく方針である。
 現在のところ、利益率を維持しながら、売上のボリュームのアップを図っている。将来に亘っての事業基盤の強化を図るために、新規事業室を今月設立するなど、常に一歩先を目指している。

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