2012年02月22日
GMOクラウドは新サービス・グローバル展開が本格寄与し増益転換
GMOクラウド<3788>(東マ)の今12月期業績は、減益を前期1期のみにとどめて増益転換する。クラウドサービスへの本格参入やグローバルでのサービス提供開始によりシェアがアップ、高成長路線に復帰するもので、株価も昨年来安値水準から底上げ、「リターン・リバーサル」相場の様相を濃くしている。
■日本発のクラウドサービスのグローバル・シェアをアップ
同社の今期業績は、売上97億2800万円(前期比8%増)、経常利益8億6600万円(同14%増)、純利益4億9000万円(同30%増)と予想されている。前期は、ホスティングサービス事業で既存ホスティング市場から成長性の高いクラウドサービスにシフトしたがサービス提供開始が遅れたことや、セキュリティサービス事業で9月に認定局へのハッキング声明を受けて一時的に証明書発行業務を停止したこと、ソリューション事業で東日本大震災により仙台事務所が被災したこと、さらに円高に伴う為替換算損などが重なり減益転換した。ただ、この間も新サービスの提供、グローバル展開の強化を進め、この本格寄与が始まることが要因となる。
ホスティングサービス事業では、昨年4月に提供を開始したバーチャルプライベートクラウド「IQcloud」、パブリッククラウドサービス「GMOクラウドPublic」のうち、「GMOクラウドPublic」は9月に従量課金型プランを導入し、12月には従来のパフォーマンスを約4倍に増強した国内最高水準のサービスの提供を開始した。米国連結子会社と連携して、日本発のクラウドサービスのグローバル・シェアを拡大させる。
セキュリティサービス事業でも、ベルギーの連結子会社が認証する「グローバルサイン」ブランドの電子証明書を同じく英国、米国の連結子会社を通じて発行しているが、海外パートナーとの業務提携や、国内認証局初「ページ認証」および特許取得した「第二世代ワンクリックSSL」など利便性の高い商材の開発・提供を行い、販路拡大と証明書発行枚数のアップを図る。
ソリューションサービス事業でも、利便性を追求したスピード翻訳サービスと、ホスティングサービス事業とシナジー効果の高いWEBサービスの拡大を図る。
日本翻訳連盟が08年に発表した「第3回翻訳白書」によると国内の翻訳市場規模は推定2,000億円、ここ数年で大きな成長は見えないが、調査会社Common Sense Advisoryが発表した世界の言語サービス市場は08年で142.5億ドル、13年には250億ドルに到達すると予測している。成長率の高いBRICsを中心とした諸外国は確実に翻訳市場が成長している。同社は、現在は国内でのスピード翻訳サービスを提供しているが、海外での事業展開も視野に入れているため、今後の事業の拡大が予想される。
■「リターン・リバーサル」で東証マザーズCore人気を再燃
株価は、昨年9月に東証マザーズCore株価指数の構成銘柄に選定されたことで主力株人気を高め7万3700円の戻り高値をつけたが、11月の前期業績の下方修正で昨年来安値4万9600円まで調整、今期業績の増益転換予想で底上げに転じた。PERは12倍台と割安で、下げた株ほどよく戻るとする「リターン・リバーサル」買い銘柄の資格を十分に満たしており、戻り高値抜けから昨年3月につけた昨年来高値9万5000円を目指す主力株人気の再現が期待される。
>>GMOクラウドのMedia-IR企業情報