2009年11月24日
GMO−HS:マネージドホスティング順調、低価格商品のラインナップ拡充
■基幹システム投資・稼動によるコスト発生もコスト見直しで吸収
GMOホスティング&セキュリティ<3788>(東マ)は、16日に東証で今09年12月期第3四半期決算説明会を開催した。
売上高56億6500万円(前年同期比6.7%増)、営業利益8億6800万円(同32.1%増)、経常利益8億7700万円(同33.4%増)、純利益4億6200万円(同93.7%増)と増収大幅増益。
第3四半期決算のポイントを挙げると、まずホスティングサービス事業では、共用・仮想専用ホスティングサービス(VPS)はマーケットニーズに応えるため低価格商品のラインナップを拡充。OEMは大口顧客の解約により売上が減少したが、元々薄利であったことから、利益面での影響はそれ程大きくなかった。一方、専用・マネージドホスティングサービスは、売上・利益共に順調。
また、基幹システム投資・稼動によるコスト発生も継続的なコストの見直しにより吸収している。
セキュリティサービス事業では、代理店開拓・証明書発行枚数共に順調に伸びている。特に海外での売上が順調である。そのため、第3四半期累計では営業利益の黒字化を達成している。
今通期連結業績予想は、売上高78億円(前期比8.5%増)、営業利益11億円(同36.8%増)、経常利益11億円(同39.6%増)、純利益5億8000万円増(同721.7%増)と増収大幅増益を見込む。
今後も引き続いて、マネージドホスティングサービスの営業の強化、サービスの拡充、品質の強化に努めセキュリティサービスの地理的拡大及び代理店開拓による世界シェアの拡大を図る等の課題に取り組む。また、ホスティングサービスの低価格帯市場の成長に対応し、取引件数の拡大を図る。
セグメント別売上高は、ホスティングサービス事業は、OEM大口顧客の影響で、売上高が約2億円減少したものの、全体として大きく成長したことで、46億4200万円(前年同期比3.8%増)となった。
セキュリティ事業は、アメリカ合衆国、英国の売上高が伸びたこことで、10億600万円(同23.6%増)と大幅に伸びた。
セグメント別の営業利益を見ると、ホスティング事業は、原価の低減効果があったものの基幹システム関連費用が増加したことで8億3200万円(同4.7%減)となった。
セキュリティ事業は、第3四半期(7月から9月)の営業利益は海外の季節要因の影響を受け、△500万円であったが、1月から9月の累計では営業利益3000万円となった。当初の通期予想では△1000万円を見込んでいることから、予想を上回る進捗といえる。また、対前年同期比で2億3600万円増と大幅増益となっている。
■至れり尽せりを追求する高価格帯、シンプルかつ洗練の低価格帯、両面から攻めるホスティングサービス
連結貸借対照表を見ると、現金及び預金は24億2800万円(前年度比同47.8%増)と大幅に増えている。売掛金はマネージドホスティング、セキュリティの法人売上増により5億2400万円(同6.7%増)となっている。また、受注も順調であることから前受金は13億4800万円(同2.9%増)となっている。
ホスティング事業では、高価格帯のマネージドホスティングサービスの強化に注力しているが、一方で市場が拡大している低価格帯サービスのラインナップを拡充している。例えば、マネージドホスティングでは、データ・サルベージ(復旧)・サービス、ディザスターリカバリーサービスを投入した。低価格市場には、10月19日に月額1470円でInfinito PLUS 30GBを、10月27日には月額925円のServer Queen 10GBを、11月11日には月額1890円のRapidSite512MBを提供している。「そのため1日10件であった契約が30件に増えています」(青山社長)と順調に新規顧客の獲得が進んでいる。
セキュリティ事業では、代理店の開拓に努めている。第3四半期では日本602社、海外1275社となっている。また、7月から9月までのSSLサーバー証明書は日本6305枚、海外7938枚。
ホスティング事業・セキュリティ事業ともに順調である。しかも、まだまだ市場尾の開拓余地は残っていることから、これからが楽しみといえる。