2010年11月17日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

GMOホスティング&セキュリティの第3四半期連結業績は増収ながら減益


■ホスティング事業で初期費用・1年間使用料を無料とし、早期囲い込み戦略を取る

GMOホスティング&セキュリティホームページ GMOホスティング&セキュリティ<3788>(東マ)は、8日に今10年12月期第3四半期連結業績を発表した。
 第3四半期連結業績の売上高は60億8300万円(前年同期比7.4%増)、営業利益7億8100万円(同10.1%減)、経常利益7億8900万円(同10.1%減)、純利益4億1400万円(同10.3%減)と増収ながら減益となった。
 同社の事業は、ホスティングサービス事業、セキュリティサービス事業、ソリューションサービス事業の3事業からなる。
 減益となった主な要因は、ホスティングサービス事業において、低価格の共用ホスティングサービスの利用者拡大を狙い、初期費用・1年間使用料を無料などの積極的な販売促進活動を行い、早期に囲い込む戦略を取ったことで、ホスティング事業の売上高は、契約件数が増加したものの、1件あたりの単価が低下し、44億6900万円(同3.5%減)、営業利益は6億1700万円(同25.9%減)と減収減益となったことによる。

■来期第2四半期から早期囲い込み契約者のストックの積み上りが想定される

 早期に囲い込む戦略を取った背景には、ホスティング市場はクラウドサービスの大きな潮流の中にあり、まだまだこれからの成長市場であることがある。
 今第3四半期末の共有ホスティングサービスの契約件数は6万3557件(同9.1%増)、仮想専用ホスティングサービス7512件(同49.2%増)、専用・マネージドホスティングサービス4677件(同4.2%増)、OEM2万7207件(同2.4%減)となっていて、全体では10万2953件(同7.7%増)。
 第3四半期は減収減益であったが、遅くとも来期の第2四半期からは、早期に囲い込んだ契約者のストックの積みあがりが想定されることから、来期のホスティングサービス事業の増収増益は確実といえる。

■セキュリティサービス事業は日本・米国・英国各拠点の販売代理店が順調に増加

 セキュリティサービス事業については、電子認証サービス「グローバルサイン」は、日本・米国・英国各拠点の販売代理店が順調に増加した。
 また、ホスティング事業者向けにホスティングサービス用ソフトウェアと「ワンクリックSSL」と連携する仕組みを開発し、販売代理店の利便性を高めるサービスの提供やクラウドサービスの普及に伴い1つのサーバ証明書で複数台利用できる証明書の提供などの商材拡充を行い、販売が好調であった。
 日本においては、米国食品医薬品局の電子申請に必須となるクライアント証明書「電子署名(S/MIME)用証明書」の提供を開始した。また、国内で唯一となるソフトウェア開発者などの個人向けコードサイニング証明書(様々なソフトウェアにデジタル署名を施せる電子署名用の証明書)の提供を開始するなど電子認証サービスの新しい利用提案を行っている。

■現状の市場成長率を前提とすると2015年までに売上高60億円も

 海外では、オセアニア・東南アジア・インド等における営業拠点として、シンガポールに子会社(GMOGlobalSign Pte.Ltd.)を設立した。また、フランスへの展開が順調に進捗したほか、カナダでの直接販売サイトの開設、サポート拡充を行い、進出していない地域への展開を進めた。以上の結果、セキュリティサービスの売上高は12億1800万円(同25.3%増)、営業利益は1億4300万円(同4.7倍)と大幅増収増益となった。
 ストック型のビジネスといえることから地理的な拡大と共に利用者も増加し、SSLサーバ証明書の発行枚数も増加することになる。
 第3四半期末の代理店数は内外共に併せ2504社(対前年同期比627社増)と順調に増加している。各拠点の売上高の成長率は、対前年同期比で英国64.3%増、米国56.9%増、日本18.5%増と海外で急伸している。「現状の市場成長率を前提とすると2015年までに売上高60億円という数字を達成するのは、それほど現実離れした数字ではありません」(代表取締役社長青山満氏)とこれからの急成長に自信を示している。

■ソリューションサービス事業の売上高は対前年同期比6.51倍と大幅増収

 ソリューションサービス事業については、2009年11月に取得したコミュニケーションテレコム、シーエムティにおいて、「WEBコンサルティングサービス」「オフィスコンサルティングサービス」を展開するほか、GMOスピード翻訳で「スピード翻訳サービス」を提供している。第3四半期連結累計期間の売上高は3億9500万円(同6.51倍)、営業利益は400万円(同38.6%増)と大幅増収増益となった。
 スピード翻訳サービスについては「秋口から黒字化している。月毎に売上、利益共に拡大しています」(青山満社長)と今後の成長が予想される。
 今通期連結業績予想は、売上高84億2300万円(前期比10.9%増)、営業利益12億6300万円(同10.7%増)、経常利益12億6300万円(同8.9%増)、純利益6億7600万円(同10.2%増)と増収増益を見込む。
 尚、第4四半期からワダックスの業績が加わる。のれん消却も含めて、今期業績に与える影響は軽微とのことであるが、「約2万5000件の顧客を持ち、知名度もあり、優秀なスタッフが揃っている」(青山満社長)来期以降の貢献が予想される。
 今後の成長のために、ホスティングサービス事業で早期に顧客を囲い込んだ影響で、第3四半期は減益となったものの、来期の第2四半期からは売上の急増が予想される。また、セキュリティサービス事業、ソリューションサービス事業共に急成長が見込めることから、これからも成長路線が継続するものと思われる。

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