
第2四半期の連結業績は、2回の上方修正をしているように売上高53億2700万円(前年同期比122.6%増)、営業利益8億5900万円(同470.4%増)、経常利益8億3000万円(同2654.8%増)、純利益8億7000万円(同4062.4%増)と絶好調で、全上場企業の今中間期業績でトップクラスの成長率となった。
同社グループの収益の90%は継続課金であることから、顧客が増えれば増えるほど収益が伸びるビジネスモデルなので、今後の更なる成長が予想される。
同社グループの事業は、ブロードバンド化事業(BB化事業)とユビキタス化事業(UB化事業)に分けられ、BB化事業には、「YourNet」や子会社であるドリーム・トレイン・インターネットのインターネット接続サービスなどがあり、BB化事業には、「Emotion Link」、「Magic」、IPビジネスホンなどがある。いずれも次世代のユビキタス社会を実現するものである。
まず、YourNetは、日本最大の実績を持つISPアウトソーシングサービスで、ISPの運営に必要なネットワーク環境、課金業務、サポートまでをワンストップで提供する。一般的なISP事業や顧客の目的に合わせたインターネットサービスの提供に対応しており、NGN(次世代ネットワーク)にも対応する。
Emotion Linkは、既存のインターネット上に仮想的にもうひとつのインターネットを架設するOverLay Internetの技術にVPNを組み合わせ、フレキシブルでセキュアな通信を実現し、NATやファイアウォール等のネットワーク障壁を越えた通信ができる。
Magicは、法人向けのICTソリューションサービスで、ISPとして長年培ったネットワーク運用ノウハウを活かし、顧客に高品質で最適なネットワークソリューションサービスをワンストップで提供している。光ブロードバンド回線サービスをはじめ、マネージドVPNサービス、サーバーサービス等多種多様なサービスが可能。
IPビジネスホンは、オフィス、集合住宅向け、IPv6対応のASP型IP電話サービス。IPv6の利用により、構成やネットワーク設計等が容易になり、導入・運用における手間とコストの大幅削減を実現している。
大幅増収増益となった要因は、通信事業向けテレコミュニケーション事業が順調に推移したことや、子会社とのネットワーク統合で通信ネットワークコストが減少したことによる。また、BB化事業、UB化事業共に計画通りに推移していることも要因。
事業別の売上高は、BB化事業39億6800万円(前年同期比177.2%増)、UB化事業13億5800万円(同41.3%増)と共に大幅増収を達成している。
BB化事業では、ISP事業の買収を主としたハイブリッド戦略が順調であったことと、事業者向け、個人向けFTTHインターネット接続サービスが堅調に推移した。また、上半期のBフレッツ新規ユーザー獲得数は、約54000人と順調に推移した。
ユビキタス化事業もハイブリッド戦略により、個人向けサービス収入が加わった。集合住宅向けIP電話サービスは堅調に推移。通話報酬型広告ソリューションAdSiPも業績に寄与し始めている。更に、テレコミュニケーション事業では、NECとの業務提携を推進し、保守サービス、ライセンス販売を実施している。
キャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フロー12億6900万円、投資キャッシュ・フローは株式会社Isaoのインターネット接続サービス等の事業を承継したための支出で△4億7300万円、財務キャッシュ・フローは借入金の返済のため△3億9200万円となり、すべて営業キャッシュ・フローの範囲内で行っていることから、理想的な事業運営といえる。現金及び現金同等物の期末残高は19億9800万円(前年同期13億3900万円)。自己資本比率は39.3%(同29.4%)と大幅に改善。財務内容の健全化が進んでいる。
今期通期連結業績予想は、売上高110億円(前期比36.2%増)、営業利益16億円(同87.4%増)、経常利益15億円(同113.4%増)、純利益15億円(同137.2%増)と大幅増収増益を見込んでいる。
業績が好調なので、今期より配当をスタートする。期末配当3000円を計画している。
ユビキタス時代はもう其処まで来ている。家電メーカーなどとの提携で、同社の技術を活用し、iPhone(アイフォーン)ひとつで、家電の遠隔操作ができる時代が来ている。