2010年02月18日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

シナジーマーケティング:大不況にもかかわらず、大幅増収、2ケタ増益を達成


■CRM活動を積極的に行っている経営者にとっては頼りになる企業

シナジーマーケティング株式会社・代表取締役 谷井等 シナジーマーケティング<3859>(大ヘ)は、17日に東京証券会館で前09年12月期連結業績の決算説明会を開催した。
 同社の決算短信は、10日に発表されているように、売上高21億6900万円(前々期比36.2%増)、営業利益3億9800万円(同30.2%増)、経常利益4億200万円(同25.1%増)、純利益2億1600万円(同11.5%増)と大不況にもかかわらず、大幅増収、2ケタ増益を達成している。
 同社の説明会で頂いた会社案内にCRM(既存顧客の活性化)事業に参入した明確な理由を2つ挙げているので、引用させてもらう。「1つ目は、『情報システムは資産として持つのではなく、必要な時に、必要なだけ利用できるものであるべき』という思いであり、2000年からSaaS(ASP)形態でのサービス提供を行なってまいりました。2つ目は『お客様が求めていらっしゃるものは、システム自体ではなく、そのシステムを利用して得られる成果である』という思いであり、企業様のCRM活動に、弊社の持つノウハウを積極的に提供してきました」とCRM活動を積極的に行っている経営者にとっては頼りになる企業といえる。(写真=シナジーマーケティング株式会社・代表取締役 谷井等)

■EC市場は拡大しているが、折からの不況で、なるべく初期投資を抑制する動きがある

シナジーマーケティングホームページ 経済産業省の「平成20年度我が国のIT利活用に関する調査研究」の調査結果によると08年のBtoB(企業間取引)市場はリーマンショックの影響で159兆円(対前年比1.7%減)となったが、ECの拡大浸透を示す指標であるEC化率(全ての商取引における、電子商取引<EC>による取引の割合)は0.2ポイント増と拡大している。
 BtoC(消費者向け電子商取引)市場規模は、08年6.1兆円(同13.9%増)となり、EC化率も1.8%(同0.3ポイント増)となっている。
 このようにEC市場は拡大しているが、折からの不況で、なるべく初期投資を抑制する動きがあるため、同社の主力である安価で提供するCRM支援ツールのASP事業は需要が拡大している。
 同社の事業は、ASP事業、Agent事業、eホールセール事業の3つに分けられる。
 ホームページを制作し、CRM活動の強化を開始したものの、効率的な運営を行うためには、会員データの蓄積、会員へのアプローチが不可欠である。そこで、ソフトを開発することなく、安価なASP(SaaS)形態で使用できる同社のCRM支援ソフトを提供するのがASP事業であり、事業会社の顧客名簿を預かり、必要な時期に顧客へのメール配信などを行なう。
 一方、その後の事業拡大について、または当初からの事業戦略などについて、コンサルティング、システムの制作、運用について経営者と共にCRM活動を成功させるために協力するのがAgent事業である。

■eホールセール事業は在庫を持たないビジネスで、商品回転は200回転

 eホールセール事業は、昨年子会社化したビーネットが行っているインターネットの卸事業である。現在、EC店舗約5000店にほぼ腕時計だけを卸している。在庫を持たないビジネスで、商品回転は200回転で、順調に伸びている。前期は6ヶ月間であったが、売上高5億4200万円、営業利益7000万円、経常利益7000万円、純利益4300万円。将来的には、腕時計以外の商材も取り扱う方針で、更に売上拡大が予想される。
 今期の事業戦略について、代表取締役社長谷井等氏は、「これまでお客様からのお問い合わせによって仕事が始まっていました。つまりプル型の営業でしたが、今後更に成長させるためには攻めのプッシュ型の営業を開始します。更に、オンラインでの販売体制も整えます。グーグルのようにWeb上で客自らが申込み、決済する体制を作ります」と営業方針を積極的なプッシュ型に変えると共にオンラインの活用も示した。
 今期連結業績予想は、売上高28億2800万円(前期比30.4%増)、営業利益4億5900万円(同15.3%増)、経常利益4億6500万円(同15.5%増)、純利益2億4100万円(同11.2%増)と大幅増収と2ケタ増益を見込む。
 しかし、この数字はまだ控えめ。時流に乗ったビジネスであるだけに今後が楽しみな企業といえる。