インテージホールディングス:今期14年3月期第2四半期決算説明会を開催
インテージホールディングス<4326>(東1)は、11月19日に今期14年3月期第2四半期決算説明会を開催した。第2四半期決算の状況、各事業の進捗状況と今後の課題、通期の業績見通しの順で説明が行われた。
■第2四半期決算の状況
第2四半期の業績は、当初予想の数値を下回ったものの、売上高に関しては過去最高を更新した。しかし、医薬品開発支援事業が失速したことで利益面に関しては、前年同期を下回る結果となった。
第2四半期連結業績は、売上高185億5百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益8億80百万円(同16.7%減)、経常利益8億11百万円(同18.5%減)、純利益3億63百万円(同27.1%減)と増収ながら2桁減益。
セグメント別の売上高は、市場調査・コンサルティング132億27百万円(同3.7%増)、システムソリューション23億30百万円(同7.9%増)、医薬品開発支援29億47百万円(同8.9%減)となった。
市場調査・コンサルティングは、パネル調査分野に関しては、SCI−personal(全国個人消費者パネル調査)、i−SSP(インテージシングルソースパネル)、新規連結子会社である医療情報総合研究所(JMIRI)の処方情報分析サービスが増収に貢献した。カスタムリサーチ分野は、従来型調査でASEAN地域のグローバル調査が伸長した一方、インテージ・チャイナは苦戦した。
システムソリューションは、企業のシステム投資マインドの回復に伴い大型案件を受注するなど案件状況が堅調に推移した。
医薬品開発支援については、モニタリング業務、データマネジメント・解析業務共に、競合他社との競争激化により受注が減少した。
セグメント別の営業利益は、市場調査・コンサルティング9億34百万円(同0.6%増)、システムソリューション94百万円(前年同期△12百万円)、医薬品開発支援△1億48百万円(前年同期1億40百万円)。
市場調査・コンサルティングは、パネル調査分野は投資負担減と増収効果により増益となった。カスタムリサーチ分野も従来型調査・インターネット調査ともに堅調に推移したが、インテージ・チャイナについては受注状況の悪化と再構築にかかる費用の増加により減益となっている。
システムソリューションは、受注状況が良くなったことから利益を確保することができた。
医薬品開発支援は、新規案件の受注減、国際事業への先行投資費用の増加などにより減益となった。
以上のように、第2四半期は、市場調査・コンサルティング、システムソリューションは、増収増益となったものの、医薬品開発支援が減収減益となったことで全体の利益を引き下げる結果となった。
■各事業の進捗状況と今後の課題
今期のグループ基本方針は「重点領域における圧倒的競合優位性の確立」を掲げており、成長に向けたキーワードは、「モバイル、グローバル、ヘルスケア」である。
第2四半期までの国内における各事業の進捗状況を振り返ると、インテージでは、i−SSPは代理店・マスコミでの窓口拡張が奏功して売上が伸びている。コンサル領域では海外・新事業展開関連の案件を受注し、計画を上回る売上を確保した。また、金融・旅行・健康情報分野でシステムの大型案件を受注した。出版POSサービスはデータの拡張により商品価値が向上し、ユーザー数も120社に拡大した。
医薬品開発支援のアスクレップは、競合他社との競争が激化し、新規案件の受注が大幅に減少した。米国のRPS社との合弁会社は、RPS社側の買収・合併によりスタートが遅れた。
持分法適用会社であるドコモ・インサイトマーケティングは、生活者パネルのトライアルを複数社で獲得している。
社会公共分野の調査を得意とするインテージリサーチでは、官公庁の大型案件を受注した。
アンテリオは、Impact Track(ディテーリング活動評価指標)は価格競争により市場規模が縮小したが、簡易型カスタムリサーチのTen Quickは収益に大きく貢献した。
一方、海外における各事業の進捗状況は、インテージ・チャイナは事業と雇用の両面からリストラを実施。インテージ・タイは、やや足踏み状態であるが、第4四半期に大型案件が集中していることから下期は挽回すると見ている。
このような状況のもと、下期のアクションとして、市場調査・コンサルティング、システムソリューションでは、出版POSサービスの強化や、今期リリースしたスマホリサーチ「スマート」を活用した売上拡大、官公庁の大型案件の業務対応が挙げられた。
「グローバル」は、インテージ・チャイナを来期V字回復させることを目標に体制の再構築に取り組む。具体的には、適正人員の見直し、事務所の再編・縮小、ガバナンス体制の強化を実施する。その一方で、ヘルスケア関連業務の対応体制の整備や、自動車関連調査の売上拡大を目指すほか、POSデータの販売を開始する。
インドネシアについては、DEKA Marketing Researchとの合弁で「RT.INTAGE INDONESIA」を設立した。顧客からの要望も多く、インテージグループの多様なリサーチソリューションとDEKAのインドネシアにおける生活者の習慣・ライフスタイル・価値などに関する知見を統合したサービスを展開していく。
「ヘルスケア」は、今期不調のアスクレップは、人員体制や業務の対応範囲の見直しなど各施策を確実に実行し、期末目標の達成に向けて軌道修正する。
アンテリオは海外調査に強みを持つファーマフォーサイト社の事業を譲り受け、アジア調査の強化をおこなう。
好調なJMIRIは新たに製薬企業向け分析ツールをリリースし、更なるサービス拡大および品質向上に取り組む。
「モバイル」に関連したところでは、生活者のTwitterによる情報受発信と購買行動の関係性を捉えるための3社(インテージ、ドコモ・インサイトマーケティング、NTTデータ)共同研究を行うほか、インテージのインターネットモニター「キューモニター」の約100万人と、NTTドコモが保有するドコモプレミアクラブのアンケート協力者約314万人を統合した、業界最大のモニター「マイティモニター」を14年1月からスタートすることを発表した。
■通期の業績見通し
第2四半期は医薬開発支援事業が不振であったことから減益となったが、通期では、各種施策の実行により利益の回復を目指している。
今期14年3月期連結業績予想は、売上高430億52百万円(前期比7.8%増)、営業利益36億6百万円(同9.0%増)、経常利益33億83百万円(同5.3%増)、純利益18億61百万円(同48.9%増)と増収増益を見込む。
配当については、期末27円50銭を予想。10月1日付で1対2の株式分割を実施していることを考慮すると2円50銭の増配となる。
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