■デジタル・フォレンジック製品の販売が軌道に乗る

代表取締役社長石橋雅敏氏は、挨拶の後に「前期は、中期経営計画の初年度でありましたが、リーマンショックの影響から、減収減益の結果、無配となりました。SI(システムインテグレーション)については、下期に開発案件のストップ、見直し、規模の縮小等により原価高となり、売上も当初計画89億円を下回り、減収減益となりました。ITサービスは、年明けから不況の影響が顕著になり、金融業向け、証券業向け、メーカ向け案件が減少しました。情報セキュリティに関しては、デジタル・フォレンジック製品の販売が軌道に乗りつつあり、フォレンジックはフォーカスであるという認知度は上がりましたが、計画までは到達しませんでした。その他では、ILOG製品の販売、保守が順調に推移しました。
業績を振り返ると中期経営計画の見直しを行わなければなりませんが、未曽有の不況の真っただ中で、先行きは不安であり、回復までに半年はかかると見ています。そこで、中期経営計画は一旦凍結し、状況が落ち着いた後、見直したうえで経営計画を再度策定します。それまでは、単年度毎の見通しを出します。」とリーマンショックの影響で、企業のIT投資意欲が急激に減退したため、同社の業績も当初予想を大幅に下回り、中期経営計画の凍結に至った経緯を説明した。
前09年3月期連結業績は、売上高123億5500万円(前々期比2.0%減)、営業利益5800万円(同84.0%減)、経常利益600万円(同98.0%減)、純利益△1億6500万円(前々期2億9400万円)と減収減益で、最終赤字転落となった。純利益が赤字となったのは、原価高による営業利益、経常利益の大幅減益の影響と、前々期にあった子会社の上場による株式売却益が前期はなかった影響による。
主要顧客別売上高を見ると、NTTデータ関連50億2200万円(前々期比7.0%減)、NTT関連3億6200万円(同15.4%減)、沖電気関連5億9800万円(同18.2%減)、日本IBM関連10億5600万円(同15.5%減)、その他50億200万円(同13.0%増)。主要顧客の総売上が10%程減収となっている一方で、その他の売上が健闘していることが分かる。
「今期については、SI事業で大型プロジェクトへの参入が決定しました。公共関連では、昨年粘り強くかなり踏ん張っていたため、4月、5月になってその成果がぼちぼち出だしたなと、感じています。ITサービスについても昨年からの布石の効果が出始めてきています。また、この様な厳しい環境であればこそ、新規事業には積極的に投資します。前期は無配となりましたが、今期は10円配当できる手応えを感じています。」と急激な事業環境の変化に戸惑うも、明るい話題が出てきていることも紹介した。
今10年3月期連結業績予想は、売上高125億円(前期比1.2%増)、営業利益2億3000万円(同291.4%増)、経常利益1億7500万円(同2816.7%増)、純利益7000万円と大幅増益を見込んでいる。配当は期末10円の復配を予想。
前期の業績低迷の原因は、急激な金融不安の発生に伴い、消費不況が加速したため、顧客である企業の設備投資が一時的にストップし、見直し、縮小、延期等の影響で空き口数が増加したため、減収と共に利益率が大幅に低下したためである。前期のような激変が生じない限り、今期の業績回復は期待できる。
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